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アフターコロナのオフィス 創造性発揮へ見直し相次ぐ

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染予防を目的に普及したテレワーク。アフターコロナでも継続を明らかにしている企業は少なくありません。そんな企業で浮上している課題が出勤者の減ったオフィスをどうするか。浮いたスペースの積極活用に乗り出す動きが出ています。

ベネッセコーポレーションは6月に東京本部オフィス(多摩市)を全面改装しました。1994年の開設以来、初のリニューアルです。固定席を廃止しオフィス面積を4割削減する一方で、共有の打ち合わせスペースを拡充しました。10人程度でディスカッションできるオープンスペースや、独りでこもれるWEB会議用ブースなど6タイプから選べます。感染リスクを下げるため、向かい合わずに横並びで座って打ち合わせできるペアワークシートもあります。

同社はコロナ禍で在宅勤務を推奨し、出勤率は5割以下。今後もテレワークと出勤を組み合わせたハイブリッド勤務を続けます。コロナ前のように社員1人につき1人分の執務机はいりません。代わりに社員が出勤した際、自由闊達な意見交換ができる場を確保しました。

95%の社員がテレワークを実施しているというヤフーも今年、本社を衣替えしました。1人で業務に集中したいのか、同僚らとワイワイガヤガヤ議論したいのか。目的に応じて働くフロアを分けました。「ワイガヤ」フロアは大型モニターなどを随所に配置し、いつでもどこでもすぐに議論を始められます。

コロナ禍で急きょ普及したテレワーク。出勤せずともある程度、業務をこなせることを示しました。半面、課題も明らかになりました。組織としての創造性が発揮しづらい点です。偶然の雑談から思わぬヒントをもらったり、意見のやりとりから新しいアイデアが生まれたりする機会がありません。こうした欠点を補うため、企業はオフィス機能の見直しに動きます。

机が整然と並ぶ従来型オフィスは、スペース効率は良くても生産性は必ずしも高くありませんでした。ニッセイ基礎研究所上席研究員の百嶋徹氏は「どんなオフィス環境なら創造性が高まるか。多くの日本企業はこれまでオフィス戦略に関心を払ってこなかった。テレワークの緊急導入を契機にオフィスの役割・機能をようやく考え始めた」と指摘します。

オフィスに不可欠なのはリアルな対面の場です。「ワクチン接種が進む米国では、社員に週数日程度のオフィス出勤を求める動きが出ている。サイバー空間でのやりとりはワクワク感が湧かず、イノベーションが起きづらいと分かっているからだ。テレワークを進めると同時に、オフィスでは濃密な対面コミュニケーションを促進する工夫が必要だ」と強調します。

百嶋徹・ニッセイ基礎研上席研究員「オフィス戦略に欠ける日本企業」

新型コロナの感染拡大をきっかけにテレワークが普及しました。働く場所が職場の外に広がっていけばオフィスは不要になるのか。企業経営の研究が専門でオフィス戦略にも詳しいニッセイ基礎研究所の百嶋徹上席研究員にアフターコロナのオフィスのあり方を聞きました。

――テレワークが普及し、出勤者が減れば無駄に広いオフィスを持つ必要もありません。コスト節減のためにもオフィスを縮小した方が良いのではありませんか?

「実際に本社オフィスを売却したり、小さなスペースへ借り換えたりする話も聞きます。でも私は短絡的なオフィス縮小に反対です。今後テレワークは働き方の選択肢として導入することが欠かせません。働く場所が多様で柔軟になり、働く人が自由に選べる環境はぜひ整えるべきだからです。ただ、在宅勤務の生産性は自宅の環境要因によって社員間で大きな差が生じかねません。自宅では個室がなかったり、情報通信(IT)環境やオフィス家具が整っていなかったりして生産性高く働けない社員もいます。まず企業は在宅勤務に本腰を入れるなら、この格差是正に向けて社員に環境整備のための金銭的支援を行うべきでしょう」

「その一方でオフィスのあり方も検討が必要です。コロナ禍で多くの企業は急きょテレワークの導入を迫られました。当初は混乱もあったものの、在宅勤務に慣れるに伴い、働く側も会社側も『出勤せずとも業務はこなせる』との気づきを得た事例もあるでしょう。でも、あらゆる業務で支障がなかったはずはありません。特に創造的な業務は思うようにはかどらなかったと思われます。人は本来リアルな場に集い、対面でやりとりする中で信頼関係を築き、協働して画期的なアイデアやイノベーションを生み出してきました。連絡や確認など簡単な打ち合わせはオンライン会議で代替できても、自由な議論を伴う創造的業務はサイバー空間では限界があります。互いの感情がみえにくく、参加意識も希薄になり、深い議論に発展しづらいからです。イノベーション創出の起点となるオフィスの機能は、テレワークでは代替できず、オフィスの重要性はコロナ前後で何ら変わりはありません」

――テレワーク一辺倒かと思いきや、米国の先進IT企業などは社員にオフィス回帰も求めていますね。

「昨年のコロナ下、在宅勤務体制がBCP(事業継続計画)の一環として発動され、速やかに移行しました。でもワクチン接種が広がり、社員の安全確保が確認できればBCPを直ちに解除し、オフィスでの業務を全面的に再開するのが基本形でしょう。実際、テレワークを認めつつ、週3日程度はオフィス勤務するように社員に要請する企業が散見されます。典型例はグーグルです。同社のサンダー・ピチャイCEO(最高経営責任者)は『社員間でコラボレーションし、コミュニティを構築するために直接集まることはグーグル文化の中核であり、今後も我々の将来の重要な部分となるだろう』と述べています。ただ呼び戻そうとするだけでなく、全米各地でオフィスの増床も計画しています。オフィスは社員同士のコミュニケーションを促し、イノベーションを起こす場であるとの考え方が根付いているからこそ、ためらいなくできる経営判断です」

「明確なオフィス戦略を実践する米国の先進企業に比べると、日本企業は非常に対照的です。『出勤者が減ればオフィススペースを縮小しても構わないはずだ』といった短期志向の経営に陥りがちで、中長期的な視野に欠ける企業が多いのではないでしょうか。コロナ禍のテレワークでも創造的な業務を含めて事業を回せた企業では、コロナ前から社員同士がオフィスで対面コミュニケーションを重ね、信頼関係の蓄積があったはずです。リアルな場のやりとりを軽視すると、やがてイノベーションが停滞する恐れがあります」

――テレワーク時代のオフィスはどんな機能を強化すべきでしょうか?

「ワイワイガヤガヤと社員同士が自由に集える場を創造することです。執務スペースと休憩・交流スペースのレイアウトを工夫し、違う部署の同僚とも偶然出会えたり、自然と交流できたりする仕掛けが望まれます。一方でオフィス内でも社員がその時々のニーズに応じてスペースを使い分けられるように、仕事に集中できる静かな環境など多様なスペースの設置が欠かせません。また、オフィスは企業文化の象徴として社員の帰属意識を高める場でもあるべきです」

「オフィスワークか、在宅勤務かの二択ではなく、第3の働く場を整えるのも一案です。自宅から近くて就労環境が整ったサテライトオフィスも有効ですし、最近話題のワーケーションも選択肢の1つです。日常とは異なるリゾート環境に身を置くと、脳が刺激され、豊かな発想が生まれます。可能な限り、多様な働く場所を企業は提供すべきです。社員の健康と幸福感を増進し、能力と創造性を最大限発揮させるにはどうすれば良いか。様々な選択肢を企業が準備し、社員それぞれが生産性高く働ける居心地の良い場所を選べるようにすることが、企業の競争力を高める原動力になります」

(編集委員 石塚由紀夫)

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