英語力は意思疎通を重視

――CV上の英語力はどの程度求められますか。

「やはり『見る側の視点に立って』ということに尽きます。シンプルに分かりやすく、を目指してください。スペルミスは避けるべきです。ただ、完璧な英語である必要はなく、相手に伝われば十分だと思います」

「専門用語を使って必要以上に難しくしたり、特定の業界だけで使われているような言葉を使ったりすると、『相手への配慮が足りない』とみなされ、マイナス評価につながります」

「入社後に必要な英語力は会社やポジションによって開きがあります。いずれの場合も流ちょうである必要はないものの、日常業務で使いこなせないと厳しいとは思います」

「ビジネス英語力の習得については『慣れるしかない』です。まずはリスニング力の向上に努めましょう。耳が慣れれば話す近道になります。ビジネス英語では聞き取れれば、何とか成立することが多いです。外資系やグローバル企業のビジネスシーンでは英語がネイティブでない人が圧倒的に多いため、完璧な英語を話す必要はなく、きちんと伝わることが大切です」

「英語はリスニングとリーディングが基礎で、この2つに徹底的に慣れると、スピーキングとライティングは後からついてきます。最後に、特に重要なことは、気負わないこと、変に劣等感を持たないこと。『意思疎通が取れていれば(多少英語力が劣っていても)気にする人はいない』と思いましょう。自身の意思(will)と強み(can)が、言語を問わず明確になっていれば問題ありません」

――TOEICなどの資格はアピール材料になりますか。

「日本の履歴書では資格をたくさん記載する傾向がありますが、英語のCVでは行動と成果が重要で、資格は補助程度の位置づけととらえておきましょう。求人票の『Requirements』や『Skills』の項目に合致する資格があれば記載するといった程度の認識でよいかと思います。合致しない資格を羅列すると、CVに一貫性が薄れ、何をしたい人物か見えなくなり、逆効果になる可能性すらあります」

「英語に関して言えば、TOEICは日本人以外の面接官には何のことか分からない、もしくは 通用しないと思ったほうが無難です。応募するポジションの求人票に『TOEIC~点以上』と書かれている場合だけ、その点数以上であれば書くといった対応でよいと思います」

「忘れてはならないのは、資格の有無が大事なのではなく、実務で使えるスキルかどうか、ということです。外資系に応募する場合、英語力は面接時に確認されることがほとんどなので、『資格欄は気にしないマインドセット』が必要ではないでしょうか」

遠藤亮介
 JACリクルートメント 執行役員 人事最高責任者(CHRO)
香川大学卒業後、外資系人材紹介会社に入社。その後、高級ブランド、消費財メーカー、電機メーカーなど大手外資系企業のHR責任者を歴任。2019年7月から現職。

(日経転職版・編集部 宮下奈緒子)

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