答えと解説

正解(間違っているもの)は、(3)最初に症状が出てから1週間程度で快方に向かう です。

帯状疱疹は、最初に症状が出てから快方に向かうまで2~3週間かかる上に、症状が激しかった場合、後遺症が残ることもあります。

眠っていた子ども時代のウイルスが復活

帯状疱疹は「水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルス」による感染症です。ヘルペスウイルスの一種で、実は水ぼうそうのウイルスと同じもの。ひふのクリニック人形町院長の上出良一さんは「多くの大人は、子どもの頃に水ぼうそうにかかっており、小さな水ぶくれができかゆい思いをしたのを覚えているでしょう。実は、このときのウイルスが大人の帯状疱疹の原因なのです」と解説します。

上半身にできた帯状疱疹の例(写真提供:ひふのクリニック人形町)

 子どものときにかかった水ぼうそうのウイルスは、やがて免疫ができると体内からは消えたようになりますが、実はこのウイルスは神経細胞ととても相性がよく、体の中の「体神経節」と呼ばれる場所に潜んでいます。ほとんどの人がこのウイルスを持っていると考えられ、多くの場合ウイルスは眠ったままなのです。

しかし、人によっては、疲労や睡眠不足で体の免疫が落ちたときなどに神経細胞の中でウイルスが目覚めて活動を始めます。最初の症状は、このときウイルスが神経を傷つけることによって起こる痛みです。

「まず筋肉が張ったような感じとともに、ピリピリとした痛みが体の左右片側にだけ出る。2~3日すると赤い虫刺されのようなブツブツした斑点が出てきます」(上出さん)。症状は、全身のどこにできてもおかしくないものの、多くの場合は1カ所で、顔も胴体もと複数の場所に現れることは少ないそうです。

重症化すると後遺症が残ることも

赤い斑点が出始めてから数日すると、ウイルスが潜む神経の先に水ぼうそうと同様に水ぶくれができます。ウイルスは神経を伝わって広がるため、斑点や水ぶくれは神経の通り道に沿って帯(おび)のように広がります。

やがて、水ぶくれが破れてただれた状態になり、かさぶたへと変わります。皮膚症状が治ってくるころには、服が肌にすれたりする刺激でもピリピリとした痛みを感じるようになるのです。

症状が快方に向かうのは、最初に症状が出てから2~3週間後。しかし、症状が激しかった場合などでは、後遺症が残ることがあります。例えば、「帯状疱疹後神経痛」は、急性期の痛みが消えずに皮膚症状が治っても残る耐え難い痛みです。

ウイルスによって神経に傷がついたことが原因と考えられますが、治療が困難なケースも少なくありません。また「ラムゼー・ハント症候群」は顔面神経の麻痺や難聴、耳鳴り、めまい、味覚障害などを伴うもので、帯状疱疹の症状が首から上にあった場合では要注意。「眼神経(三叉神経第1枝)の帯状疱疹のウイルス感染で失明のリスクが高くなることはよく知られています」(上出さん)

帯状疱疹は、早期に診断して、なるべく早く抗ウイルス薬による治療を開始することが重要です。それが帯状疱疹後神経痛など後遺症の予防にもつながります。上出さんは「症状が出始めてから(痛みを感じてから)3日目までに皮膚科にかかるのが大切」と話します。受診するのは、一般的には皮膚科ですが、我慢できないような強い痛みを伴う場合は、ペインクリニックで治療を行う場合もあります。

この記事は、 「近年急増する50代の帯状疱疹、失明のリスクも!?」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/column/18/031200009/082000009/(荒川直樹=科学ライター)を基に作成しました。

[日経Gooday2021年6月7日付記事を再構成]

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