Men's Fashion

アメカジ人気再び メード・イン・USAにこだわらない

プロのコーデ

JOURNAL STANDARD MEN'S 表参道 青木志門さん

2021.7.6

デニムパンツやスニーカー、スエットシャツなど、1990年代のアメカジ(アメリカンカジュアル)スタイルに取り入れられていた服に再び注目が集まっている。しかし、当時の着こなしをそのまま再現するだけでは、トレンドのコーディネートとはいえないようだ。どんなアイテム選びが今年らしいのか。97年にスタートし、アメカジを中心にした商品展開を続けるセレクトショップ、JOURNAL STANDARD(ジャーナル スタンダード)のMEN'S 表参道(東京・渋谷)で青木志門さんに聞いた。




90年代アイテムの魅力に注目 復刻も相次ぐ

――今、アメカジが再流行していますが、その背景はなんでしょうか?

「例えば、アメカジの定番だったニューバランスの『1300』など、さまざまなブランドが80年代から90年代のモデルを復刻しています。『流行は巡る』とよくいいますが、多くの人が90年代のアイテムに再び魅力を感じる時期がちょうど今なのだと思います。当時のファッションを知らない10代、20代の若者を中心とした古着ブームも、それに拍車をかけているといえるでしょう」

――若者文化の影響もあるのですね。90年代に起こったアメカジブームと、どこが違いますか?

「大きいのは、これまでのように『アメカジとはこのようなもの』という着こなしの規範がほとんどない点ですね。どちらかというと、“アメカジっぽい”雰囲気のアイテムを普段の着こなしに取り入れている方が多い印象です。また、当時は米国製の服を着るのが必須条件でしたが、今はそれほど重視されていません」

――お店では、どんな切り口でアメカジを展開していますか?

「『MERICAN STYLE(メリカンスタイル)』がコンセプトです。ブランドの国籍にこだわらず、米国らしい雰囲気のあるカジュアルスタイルを提案しています。ちなみに、アメカジというのは日本人による造語で、現地の人が日常生活で着ている服をイメージしたコーディネートのこと。そう考えると、今は当の米国人ですらあまり自国製の服を着ないですから、メリカンスタイルにも現代の“アメカジ”といえるリアリティーがあると思いますね」

「米国らしさを前面に出しすぎないという意味を込め、『AMERICAN STYLE』から『A』を抜いた『MERICAN STYLE(メリカンスタイル)』をテーマに掲げています」