転売でも権利者に利益

鈴木 現在、複数のプラットフォーム上で転売もできるそうですね。

奥秋 現状、転売する際は、イーサリアムという暗号資産を使って売買できるようになっています。今後はNFTトレカのアプリ上でも転売できたり、solanaといった他の暗号資産も使えるようにしたいと考えています。

1996年上智大学経済学部卒業後、国内大手銀行に入行。金融機関、経営コンサルティングファームにて様々な業種のクライアント支援に携わり、2018年11月にcoinbookに参画

なお、取引が成立した際には、手数料の一部がSKE48側にも入る仕組み。最近、「転売ヤー」問題が話題になることも多いですが、NFTはオリジナルの権利を持っている人たちにも、利益をちゃんと還元できるのも特徴の1つです。

また、NFTはいろんな付加価値を付け加えられるので、今後はそこを強化していきたいですね。

4月からはカードバトルゲーム「クリプトスペルズ」と組むことで、メンバーがその世界で、歌唱力、ダンスなどといったパラメーターを体力や攻撃力に見立てて、戦えるようになりました。NFTトレカ自体に、ライブチケットの機能を持たせるといったようなことも考えています。

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スズキの視点

NFTの活用は、クリエーターのマネタイズの幅を広げるだけでなく、表現の幅まで広げるところが素晴らしいと考えています。

例えば、今までCD、ストリーミングなどで“複製”してマネタイズができていた音楽も、NFTが保証する希少性によって、まるで現代アートのような売り方も可能になります。

今後NFTが普及していくことで、これまで幅広い支持がなければビジネスとして成り立たなかったようなものでも、ニッチながらも深い支持さえあれば成立する事例が増えていくのではないでしょうか。

鈴木貴歩
 ParadeAll代表取締役。“エンターテック”というビジョンを掲げ、エンタテインメントとテクノロジーの幸せな結びつきを加速させる、エンターテック・アクセラレーター。エンタテインメントやテクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援などを行っている。

(構成 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年6月号の記事を再構成]