SKY-HI ボーイズグループはルックスへの覚悟が必要連載 SKY-HI「Be myself, for ourselves」(8)

日経エンタテインメント!

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SKY-HIによるボーイズグループのオーディション・プロジェクト「THE FIRST」。7月9日の放送・配信で、いよいよ最終メンバー5人に残る候補者は11人にまで絞り込まれた。

12人を2つのグループに分けて審査した「疑似プロ審査」の段階で、SKY-HIは「ルックス」「パフォーマンス」「音楽性」などの点で、かつて存在しなかった新しい時代のボーイズグループを生む手応えを感じていると明かした。彼が考える、ボーイズグループが持つべき「ルックス」とは、何を指すのか。また、今残っているデビュー候補のメンバーは自身の「ルックス」に対して、どう向き合うべきだと考えているのだろうか。そこには、AAAのメンバー日高光啓として経験してきたSKY-HIの価値観が見てとれた。

SKY-HI(日高光啓)は新しいボーイズグループ結成のためにオーディション「THE FIRST」を開催(写真:上野裕二)

「ルックスに関して、僕が彼ら(現在『THE FIRST』で、デビュー候補として残るメンバー)に気にしてほしいことはいくつかありますが、一番は『覚悟』です。具体的に言うと、彼らは全員もともと見た目がいいので、今の段階でも華やかな衣装を着せて照明を当てれば、見る人を『キャー!』とさせるものは持っている。でも、それをパフォーマンスにまで昇華し、さらに強化するには覚悟や自覚が必要なんです。

言うなれば『自分がイケメンである』という自覚。老若男女のなかでも、特に異性……もちろん同性でもいいのですが、自分自身がその人たちの目を引くルックスであることを自覚したうえで、それをパフォーマンスに昇華することが求められていると思っています。多くの人の耳目を集めるボーイズグループを本気でやる場合に、それはすごく大事なこと。

だから、覚悟を持って、きらりと輝いてほしいですね。目の前のファンを熱狂させることにためらいを持たないでほしいという話は、彼らにもしています。そうでないと、そのルックスや自分自身に対して失礼だし、自分を応援してくれる人々に対しても実は失礼なんじゃないかと僕は思っているんです。

僕自身は10代~20代前半のとき、その意識が全くなかったから、今彼らにこれを本当に伝えたい。自分自身の若い頃を振り返ると、自分に対してもファンに対しても、誰にとってもマイナスな状態だったんじゃないかと反省しています。

反省点のまず1つは、僕自身がちゃんと覚悟と責任を持ってAAAの日高光啓としてアイドルの役割を全うできていなかったなということ。もし早くにその覚悟を持てていたら、アイドルとしてはまた違うポジショニングを取れたのかもしれませんし、アーティストとしてももっといいフィードバックがあったのかもしれません。要は、当時の自分は、音楽に対して本当の意味で裸で向き合えていなかった。

やっぱりどこか、『職業アイドル』や職業アイドルの作る音楽に対して、斜に構えたりしていた部分があったと自認しています。『僕はそういうキャラじゃないんで』という態度を取ることにプラス要素は1つもなかったんです。そこに自力で気づくには時間がかかったし……ぶっちゃけ誰かに早く指摘してほしかったな」

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気づくのは遅かったけれども……