米中覇権争いも話題に

GDPで世界第2位の経済大国に成長した中国。トランプ政権下では、米国と中国という世界の盟主の座をめぐる攻勢も展開されました。中国がこれまでの「世界の工場」という立場から飛躍し、米国と対等な立場にある大国に成長していることが背景にあります。

中国のGDP(国内総生産)が日本を追い抜いたのも2011年で、今では3倍以上の差をつけられています。
大量の中国製品が流入した結果、アメリカの対中貿易赤字が空前の規模に拡大し、トランプ前大統領は強引な「中国封じ込め」政策を進めました。
米側は制裁関税を導入、中国側も報復関税を課し、貿易戦争と先端技術戦争が激化しました。互いに口汚くののしり、デカップリング(経済関係の断絶)が始まりました。
軍事面でも互いを脅威とみなし、台湾海峡や東・南シナ海で対峙しています。米側は、中国がアメリカを脅かす経済・軍事大国になることが我慢ならず、米中覇権争いの構図です。
(第5章 東アジアは荒れ模様 160ページ)

◆編集者のひとこと 日本経済新聞出版・堀口祐介

抑圧されている国ほど政治ジョークのレベルが高い。その典型例がロシアです。旧ソ連時代からプーチン政権まで数々の傑作を生み出してきました。その論理で行けば現在の中国でも優れた政治ジョークがあるはずだと筆者は推察しています。中国語に達者な方による中国政治ジョークの発掘が期待されます。

本書は、「次はイタリア抜きでやろう」という第二次世界大戦をめぐる都市伝説的ジョークを実際にドイツ人から聞いたエピソードなども交えて、権力の本質、各国の国民性、国際政治の暗闘を鋭く解説します。本書で紹介したジョークを外国人の方に披露されてはいかがでしょうか。かなりの確率でウケると思われます。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。

ジョークで読む世界ウラ事情 (日経プレミアシリーズ)

著者 : 名越 健郎
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 990 円(税込み)