Windows 10が起動しない 最初に試すべきは
起動しないパソコンを復旧するワザ(下)
ウィンドウズ10の起動に必要なファイルが何らかの原因で壊れ、起動できなくなったパソコンを修復するには、ウィンドウズ10の回復環境の「詳細オプション」が頼みの綱であることは前回の「Windows 10のソフト障害 頼みの綱は『回復環境』」で紹介した。今回は具体的な復旧手順を確認していこう。
「スタートアップ修復」で問題を自動回復
「詳細オプション」に並ぶメニューで最初に試したいのが「スタートアップ修復」だ(図1)。修復するOS(基本ソフト)を選ぶと、修復作業が始まる(図2)。スタートアップ修復で問題が解決すれば、自動的に再起動がかかり正常に動作する。解決しなければ図3のようなエラー画面が出る。この画面から回復環境に戻れるので、再度試みよう。2、3回繰り返すと解決する場合もある。
コマンドプロンプトで手動修復
それでも直らなければ、コマンドプロンプトの修復コマンドで起動領域の回復を試みる(図4)。コマンドのオプションは2つあり、パソコンによって異なるが、間違って入力してもエラーではじかれるだけなのでどちらかを入力して試す(図5)。
BIOS(基本入出力システム)に代わるマザーボードの新しいファームウエア・インターフェース「UEFI」のパソコンの場合、新たに起動領域を設定できる。パーティションを操作する「diskpart」コマンドを実行し、現在の起動領域の位置を探す。図6の3条件(Fs=FAT32、Type=Partition、Size=100メガバイト程度)に適合するのが起動領域だ。その領域にドライブ名を割り当て(図7)、diskpartを終了(図8)。コマンドプロンプトに戻るので、ドライブ名を割り当てた起動領域をフォーマットし、起動ファイルを構築する「bcdboot」コマンドを実行する(図9)。
コマンドプロンプトで修復を試みた場合、修復後に回復環境が無効化されることもある(図10)。その場合、復旧後にコマンドプロンプトを管理者として起動し(図11)、回復環境を有効化するコマンドを実行する(図12)。
直近の更新プログラムの削除を試す
ウィンドウズアップデートで更新プログラムを適用した直後に起動しない状況に陥ったら、更新プログラムを削除して状況が変わるか確かめる。回復環境の詳細オプションでは、直近に適用した更新プログラムを削除できる(図13)。
選択肢に「品質更新プログラム」と「機能更新プログラム」の2種類があるが、前者は日常的に提供される更新プログラム、後者は半年に1度適用される大型アップデートを指す。どちらかを選んで削除する(図14)。
(ライター 田代祥吾)
[日経PC21 2021年8月号掲載記事を再構成]
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