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2週間~1カ月で料理入れ替え 新業態の飲食スペース

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NIKKEI STYLE

1年以上にわたっている新型コロナウイルスの影響による自粛期間で、私たちの外食シーンは一変した。

接待や会食は大幅にカットされ、これを機に酒をやめる人もいる。今後新型コロナウイルス感染が収束しても、深夜まで飲み続けるような従来のスタイルは減るとも言われ、飲食業界はかつてないほど変革を求められている。

そんな中、既存のどの業態にも当てはまらない、新タイプの飲食店が都内に現れ、コロナ禍でも人気になっているのをご存じだろうか。共通しているのはターミナル駅の近くや駅直結の商業施設にあり、2週間から1カ月ごとにがらりとテナントが入れ替わること、ジャンルやメニューもバラバラだ。

短期決戦の異種格闘技さながらで「飲食業界のフードスタジアム」とでも言えようか。今回は、そんな2カ所の施設を紹介する。

偏愛フーディストが集まる渋谷「偏愛食堂」

まず1カ所目は渋谷。1968年開業の西武渋谷店A館8階のレストラン街にある「偏愛(へんあい)食堂」だ。2020年10月にオープンし、コロナ禍で老舗百貨店が斬新なプロジェクトを始めた、とメディア関係者の間で話題になった。

同店はギョーザ、ラーメン、カレー、いなりずし、ハンバーガー、シュウマイ、中華(地方料理)など食の1ジャンルを深く極めた"食の偏人"こと「偏愛フーディスト」たちが小さな名店を渋谷西武に呼び、2~3週間の期間限定で出店する新施設だ。

この偏愛食堂の発起人、そして総監督を務める坂梨カズさんは、「いなりずしが好きすぎて18年間計2万個食べ続けた」、通称「いなり王子」。そごう・西武の物産展などでいなりずしの名店を紹介していたが、「もっと様々なジャンルの食を、より大きな規模で広めたい」とプロジェクトを企画。レストラン街のスペースが空き、実現したという。

今まで偏愛食堂に出店したのは、東新宿の超人気スパイスカレー店「サンラサー」(参考記事:新種「ネオスパイスカレー」出現 経験したことない味)や、神田の水ギョーザ専門店、沖縄・石垣島のハンバーガー店、ミシュランビブグルマン獲得の南インド料理店、中国・西安の麺料理・ビャンビャン麺の専門店など。昨年10月のオープンから現在まで全14シリーズを展開した。分かりやすく、インパクトのあるコンセプトに出店者も客も楽しめそうだ。

坂梨さんいわく、店を呼んでくるのはいわば「食の偏愛者=マニア」だが、客側にも相当なマニアが多いことに驚いているという。同日に2回訪れてランチとディナーを両方食べる客、シリーズが変わる度に必ず来て(しかも複数回)、「偏愛食堂の完全制覇」を目指す40代女性、毎回大学ノートを持参し、メニューの材料や産地、作り方をスタッフに詳細に聞き込み、メモする男性客など……。

「今やレストランはネットですぐに検索できますが、1つのジャンルにとことんハマり、お店や料理人たちとのつながりまで築いた『食の偏愛オタク』の情報網には、Googleもまだかないません。詳しい人と行きつけのお店に行くと、裏メニューが出てきたりして幸せになりますが、このコロナ禍のうつうつとした状況のなか、マニアな食で多くの方にこの幸せをお分けできればと思います」(坂梨さん)

ヒットを受け、今年1月にはそごう横浜店に、2号店の「偏愛食堂はなれ」もオープン。出店者側はそごう・西武のブランドを通じ、新しい客を開拓できると好評だそうだ。このほか、人気店を誘致する以外にも、コロナ禍の余剰食材を引き取ってドリンクで常時提供するなど、生産者支援も行っているという。

新大久保の「キムチ、ドリアン、カルダモン」

2カ所目はJR山手線、新大久保駅に直結する商業ビル3、4階にある「K,D,C,,,(キムチ、ドリアン、カルダモン/以下KDC)」(東京・新宿)だ。KDCは今年3月28日にできた新施設。えたいの知れない、でもなんとなくワクワクするアルファベットの店名に、オープン当初から様々なメディアが取り上げている。

新大久保駅の改札を出るとすぐ横にKDCの入り口がある。外からはここが何の施設なのか見当がつかないが、10~20代の若い女性たちがどんどん吸い込まれていく。一緒に付いていくと、2階はスターバックスで、駅ナカによくある風景。しかし3階に上がるとオープンな屋台村のような場所が現れた。

「ここは当社が山手線全駅の各地域を盛り上げる『山手線プロジェクト(東京感動線)』の一環で、日本初の食の実験場"フードラボ"です。当社の調査によると、新大久保駅は山手線全30駅中『国際性の高さ』がナンバー1。また『豊かな食を楽しめる街』という回答が多かったため、駅の真上に、食にかかわる人が集まる交流拠点を作りました」(JR東日本の服部暁文さん)

新大久保駅周辺は韓国料理店や韓流グッズの店が多いとのイメージが強いが、実はカレーの人気店も集まっており、スパイスや食材を取り扱う専門店も多い。確かにグローバルな街だ。

KDCは、ビルの3階をシェアダイニング、4階をシェフや生産者、食品・調理機器メーカー、メディアなど食の関係者が集まる会員制のコワーキングスペースとして運営している。会議室もある通常のオフィススペースのほか、食品衛生法に基づく食品関係営業許可も取得済みという大きなプロ仕様の厨房まで備えている。今後、飲食業界で新しいビジネスを興したい人が、様々な形で利用できそうなユニークな設備だ。

一般の人により身近なのは、シェアダイニングだろう。誰でもふらりと立ち寄れるイートインスペースで、テーブルと椅子を囲むように厨房ブースとドリンクを提供するブース、計4カ所がある。取材時には、かき氷店(緊急事態宣言で卸値が急落したり、行き場をなくしたりした食材をかき氷に活用)、イタリアンシェフと産直通販サイトの「食べチョク」が期間限定でコラボしたイタリア料理店、都内のフレンチビストロ、新潟や東北発のフルーツで作るジャムとドリンクの店と、ジャンルの異なる飲食店4店がオリジナルメニューを販売していた。

出店者は都内に限らず全国から募るという。2週間~1カ月ごとに店舗が入れ替わるため、客は来店する度に新しい味を体験できて楽しい。一方、出店者も人が集まる新大久保で新たな客層にPRできる。

よくニュースに取り上げられている、ギョーザや肉などの「食のフェス」と同じ仕組みなのだろうか、きいてみた。

「そうですね。ただここはフェスよりも長期間営業できますし、厨房やテーブル、椅子などの什器(じゅうき)も簡易的でなく、通常の飲食店と同じです。出店者様からいただくのは売り上げの一部のみで、機材などのレンタル料はすべて無料です。必要なのはメニューに使う食材だけで、出店の敷居が低いことがメリットです。国際色豊かな新大久保の街で、世界中の食材や人、アイデアが集まる、食の実験室のような場所になればと思っています」(服部さん)

取材時には若い女性やカップル、シニア客、スーツを着たビジネスマンなど幅広い層の客が自由に食事やカフェを楽しみ、公園などで開催されるフェスとはまた異なる、新しい飲食空間という印象だった。

以上、新スタイルの食の施設、2カ所を紹介した。長期のステイホームで、人とのつながりや、未知の味やサービスとの出合いに飢えていた筆者自身、どちらも非常に楽しめた。コロナで苦汁を味わいながらも、東京の飲食業界ではこうしてさらに進化を続けている例もある。ぜひ足を運んで、彼らの活力も受け取っていただければ幸いだ。

(フードライター 浅野陽子)

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