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著者の選んだ本を棚に並べた特設平台を設置し、手書きの店頭販促(POP)も付けて展示する(青山ブックセンター本店)

著者の選んだ本を棚に並べた特設平台を設置し、手書きの店頭販促(POP)も付けて展示する(青山ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は2~3カ月に一度訪れる準定点観測書店の青山ブックセンター本店だ。普段の人出はなかなか回復してこないが、著者イベントの開催でなんとか売り上げを支えている状況だという。そんな中、書店員が注目するのは、「言葉の企画」が自らの仕事というコピーライターによる「物事のとらえ方」と「自分らしい生き方」を考える本だった。

解釈で未来の可能性を変える

その本は阿部広太郎『それ、勝手な決めつけかもよ?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。なんとも捉えどころのないタイトルだが、副題には〈だれかの正解にしばられない「解釈」の練習〉とあり、少しイメージが具体的になる。

ページを開くと、詩のように分かち書きされ、文字の大きさを連ごとに変えた前書きが目に飛び込んでくる。まず大きな文字で「事実というものは存在しない。/存在するのは解釈だけである。/ニーチェ」。次の連はふた回りぐらい小さな文字で「コロナ禍で何度、/この言葉をかみしめただろう。」と続いていく。

東進ハイスクールのCM「今でしょ」のコピーで知られる著者はコロナ禍の日々、目の前に現れた厳しい現実に押しつぶされそうになった。スマホやSNS(交流サイト)から流れてくる情報を追いながら「だれかが見つけた正解に飲み込まれそうな自分」がいたことに気づく。本書はそこから脱却していく著者自身の心の動きをたどった本であり、脱却のきっかけともなった著者によるオンライン講座「言葉の企画2020」をベースに、「解釈」の練習で自分自身や未来の可能性を心地よいものに変えていこうと読者に呼びかける本だ。「自己啓発本」ならぬ「自己解釈本」と著者は本書を位置づける。

リアル開催の代替措置ととらえていたオンライン講座も解釈ひとつで「未来に待ち合わせをするための連続講座」へと変わる。「解釈次第で、人の一生は大きく変わる」と著者はいう。全体は4章構成。それぞれ「自分篇」「現在篇」「過去篇」「未来篇」と名づけられている。「まず自分を、次に現在を解釈し直すことで、自分の心がはっきりしてくる。そして、自分の現在を真ん中にして、過去を、そして未来を解釈していく」という構成だ。

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