様々な解釈の練習を提示
各章には講座の課題にもなった様々な演習問題が受講生の回答例とともにいろいろと出てくる。自分篇では例えば「自分の名前」の解釈。自分の名前の由来を調べ、使われている字の字源/語源を調べ尽くし、A4の紙1枚にまとめる。
現在篇では「世の中に感じるあなただけの違和感に名前をつけてください」「今という時代の気分を見つめ、時代に名前をつけてください」。過去篇では「あの感情に今、名前をつけるなら」、未来篇では「あなたはどんな企画をする人になりますか」。
自分も現在も過去も未来も決めつけず、とらえ方を変えて解きほぐしていけば、目の前にある壁を乗り越えていけるというのが本書に込めた著者のメッセージだ。
「2週連続でビジネス書ランキングのトップだった。いろいろな言い換えが出てきて世の中をとらえ直すヒントになるし、相手をとらえ直して人間関係を良くしたりといった応用もできそう」とビジネス書を担当する本田翔也さんは話す。
1位に『進化思考』
それでは先週のベスト5を見ていこう。
(1)進化思考 | 太刀川英輔著(海士の風) |
(2)それ、勝手な決めつけかもよ? | 阿部広太郎著(ディスカヴァートゥエンティワン) |
(3)勝てるデザイン | 前田高志著(幻冬舎) |
(4)ナラティブカンパニー | 本田哲也著(東洋経済新報社) |
(5)小売の未来 | ダグ・スティーブンス著(プレジデント社) |
(青山ブックセンター本店、2021年6月14~20日)
1位は、デザインや発明の仕組みを生物の進化から学ぶ「進化思考」を実践しながら身につけられることを目指した本。世の中を変革するデザインプロジェクトを数々仕掛けるデザインストラテジストが著者だ。2位が今回紹介した自己解釈本で、先々週まで2週連続で1位だった。
3位もデザインの思考法・技術に関する本。こちらはコミュニティー事業などで注目を集める元任天堂のデザイナーが著者だ。4位は、戦略PRで活躍する著者が企業を変革する物語の力を論じた内容だ。アフターコロナに生き残る店舗経営を論じた世界的な小売コンサルタントの本が5位に入った。
(水柿武志)