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新型コロナでEDリスク上昇の恐れ 未感染者の5.7倍

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日経Gooday(グッデイ)

男性が新型コロナウイルスに感染すると、その後勃起障害(ED)を発症するリスクが、感染していない男性の約5.7倍になることが、イタリアで行われた小規模な研究で明らかになりました。反対に、もともとEDがあった男性は、EDではない男性に比べて新型コロナウイルスに感染するリスクが高いことも示唆されました。

新型コロナウイルス感染症とEDの危険因子には共通点が多い

新型コロナウイルス感染症は、たとえ無症状であっても、ごく細い血管(微小血管系)に悪影響を及ぼす可能性があることが分かってきています。さらに、血管の内側表面(血管内皮)の機能の異常によって、組織の虚血(血液が行き渡らない状態)が生じ、全身性の症状を引き起こしている可能性も示唆されています。

EDもまた、血管内皮細胞の機能の低下が発症原因の1つだと言われています。また、新型コロナウイルス感染症とEDの危険因子には共通するものが多く、高血圧、肥満、糖尿病、心血管疾患(脳卒中や狭心症など)の既往などがある男性は、どちらの発症リスクも高いことが明らかになっています。

こうしたことから、「新型コロナウイルスに感染した男性には、合併症の1つとしてEDが発生する可能性がある」と考えたイタリアの研究者たちは、これら2つの疾患の関係を明らかにするため、イタリアの18歳以上の人々に対して実施したオンライン調査「Sex@COVID」を通じて収集した情報を分析しました。

ロックダウン下のイタリアで6821人がオンライン調査に回答

2020年4月7日から5月4日までの期間に、6821人(女性4177人、男性2644人、平均年齢32.83歳)が調査に回答しました。この期間はイタリアで都市封鎖(ロックダウン)が行われており、この調査は、ロックダウンや、人との社会的距離を取ることが、イタリア人の精神的な健康状態、社会的な健康状態、性的な健康状態に及ぼす影響を調べる目的で行われました。

 参加者のうち、性的に活発だった男性985人の中から、分析対象としての条件を満たした人たちの情報を抽出しました。最初の分析では、「オンライン調査前に新型コロナウイルスに感染した」と自己申告した男性と特性(年齢、BMI、感じている不安の程度、抑うつの程度)がマッチする、新型コロナウイルス感染歴がない男性を、感染者1人につき3人まで選びました。不安の程度、抑うつの程度が同様の人々を選んだ理由は、EDの存在がこれらに影響を与える可能性が高いからです。

EDの有無は、Sexual Health Inventory for Men(SHIM)[注1]を用いて評価し、スコアが21以下の男性を「EDあり」と判断しました。

感染後のED発症リスクは5.7倍に上昇

新型コロナウイルス感染を経験していた25人と、感染歴のない75人を分析しました。感染歴のある25人のうち、7人(28%)が感染後にEDを発症していました。感染歴のない男性では、EDは7人(9.3%)にとどまり、それらの間には統計学的に有意な差が見られました。心理状態や年齢、BMIを考慮して分析したところ、新型コロナウイルス感染後のED発症リスクは、感染歴のない男性の5.66倍と推定されました。

続いて、EDの有無によって新型コロナウイルスに感染するリスクが異なるかどうかを、年齢とBMIを考慮して分析したところ、ED患者の感染リスクは、そうではない男性の5.27倍になることが示唆されました。

新型コロナウイルス感染歴やEDの有無などの情報は、すべて本人の自己申告に基づくものであり、新型コロナウイルス感染症を発症したかどうか、重症度などに関するデータは考慮されていないなど、この研究には不十分な点が複数あり、あくまで予備的なものと言えますが、EDが新型コロナウイルス感染の危険因子であること、感染の後遺症としてEDが生じる可能性があることを示唆しました。

著者らは「これらの病気の間に因果関係があるかどうかを調べるためには、テストステロン(男性ホルモン)値の測定や、勃起時の血行動態の評価など、多様な検討が必要になる」としつつ、「それでも、新型コロナウイルスワクチンの接種と、マスク着用や手洗い、換気、密な場所を避けるといった個人的な感染予防策の徹底はおそらく、ED予防にも役立つだろう」と述べています。

論文は、2021年3月20日付のAndrology誌電子版に掲載されています[注2]

[注1]Sexual Health Inventory for Men(SHIM)の日本語訳は、Mindsガイドラインライブラリを参照

[注2]Sansone A, et al. Andrology. 2021 Mar 20. doi: 10.1111/andr.13003. Online ahead of print.

[日経Gooday2021年6月9日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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