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転職か残るかの判断はミドル・シニアほど悩ましい(写真はイメージ) =PIXTA

転職か残るかの判断はミドル・シニアほど悩ましい(写真はイメージ) =PIXTA

40・50代のミドル・シニア層から「今のタイミングで転職すべきでしょうか、それとも見合わせるべきでしょうか」という相談を多く受けるようになってきました。企業業績や景気の先行きが不透明な中、転職タイミングはいったいどのように見極めるべきでしょうか。3つのケースを通して、失敗・後悔しにくい好機選びの鉄則を紹介します。

まず、前提となる現状認識を確認しておきましょう。長引くコロナ禍の中、東京商工リサーチ調べで2021年の上場企業の「早期・希望退職」募集人数が6月3日に1万人を超えたというニュースが流れました。これは20年に比べて約3カ月早く、リーマン・ショック直後の09年に次ぐハイペースとのことです。一方、足元の求人は一部特定の業種を除き急増しており、コロナ禍前の19年並み以上の求人件数が出ているとの報道もあります(日経電子版6月4日「中途採用求人コロナ前超える 経済正常化にらみ人材確保」)。

ケース1「やり切った。更なるチャレンジの場を得たい」型

「5年ほど赴任したA国での現地プロジェクトが完了し、このたび、日本の本社に帰任することになりました。年齢的にも40代後半に入りましたので、一つの大きな節目かと感じています。そこで、ここから自分は何をやっていきたいか、改めてじっくり考えたのです。その件についてご相談できないでしょうか」

メーカー勤務のBさん(46歳)から、こういう連絡を受けて、キャリア面談を実施することになりました。

景気の良し悪しや現在のコロナ禍のような外部環境がどうかということとは関係なく、自らの職務ステージが変わるタイミングであれば、転職を積極的に考えてみる価値がある。私はいつも、そう話しています。

プロジェクトの終了、異動のタイミング。こうした仕事人生の節目の折には、実際に転職をするかどうかは置いておいても、一度、社内での次の可能性と合わせて、社外での可能性をぜひ考えてみてほしいと思います。

異動の先は、社内だけでなくて良い。ここまでの経験、実績をもって、次にチャレンジすべきことは何なのか。したいチャレンジは何なのか。まず、こういうことを節目節目でしっかり自問自答する習慣を身につけてもらいたい。それが次世代リーダーとしてキャリアを切りひらいていくための土台となるのです。

私は、奨励されるべき転職は、「社外異動」型転職だけだと考えています。一つの役割・ミッションを満了し、次の役割・ミッションが現在の会社内ではなく、別の会社のものであった。次に担うプロジェクトやポストを考えた場合、あいにく現在の会社の中には十分やりがいと満足を得られるものが見当たらない。その際にはぜひ、それが得られる外の場を求めてください。

「ここまでの経験を生かして、もっと大きなチャレンジがしたい。現在の会社の中には残念ながら、その場が見当たらない」。こういう状況であれば、あなたはいまこそ、転職すべきタイミングです。

ちなみに冒頭のBさんは、経験を生かしながら海外現地法人での経営・事業執行でチャレンジと実績を積むキャリアを選択。当社経由で某大手メーカーの海外現地法人社長に着任し、その海外現地会社の成長を牽引しています。

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