「米国・西洋のカフェ文化」で差異化

東條氏は「日本の酒場文化」を商品コンセプトとする檸檬堂との差異化を図るため、「米国・西洋のカフェ文化」をノメルズの商品コンセプトの1つとした。ジンの香りのもとであるジュニパーベリー(セイヨウネズ)を風味付けに使い、米国や欧州のカフェ文化を象徴するフードトラックをパッケージに施したのもそうした理由からだ。

「ソフトドリンクがルーツの大人向けのレモネード」というもう1つの商品コンセプトも、焼酎をレモン果汁で割って作るレモンサワー、つまり檸檬堂の逆を行く。酒が主体ではなく、あくまでソフトドリンクにアルコールを追加しただけという"気軽さ"を伝えようとしているわけだ。

「昨今の20~30代にとっての酒は酔うためのものではなく、みんなと楽しく過ごすため、一人でゆったり過ごすためのツール。そうした人たちに身近に感じてもらうためには色彩感、かわいらしさも重要だと考え、パッケージもポップなデザインにした」(東條氏)

パッケージのイラストには世界各国でジャンルを問わず活躍するイラストレーター、WALNUT氏を起用。同氏のTwitterには約1万5000人、Instagramには約8万6000人のフォロワーがいる

また、ノメルズには「3人の若者が立ち上げたハードレモネードを販売する店」という世界観を設定。それを伝えるため、3種類のフレーバー「オリジナル」「サワー!サワー!サワー!」「ビターサワー」に3人の若者をキャラクター付けした。ターゲット層である20~30代に「自分たちと同世代の若者=自分たち向けのブランド」と感じてもらうことを狙っているという。

日本コカ・コーラでは21年6月14日からTwitterでフォロー&リツイートキャンペーンを開始しており、22日からはテレビCMもスタート。「既存の低アルコール飲用者だけでなく、酒は好きだが低アルコール飲料はあまり飲まないという層まで獲得したい」と東條氏。檸檬堂とタッグを組んでRTD(レディー・トゥ・ドリンク、容器入り飲料)アルコール市場の活性化を目指している。

缶の上部にある「檸檬堂監修」の表記は、キャラクターの1人であるナタリーが檸檬堂でアルバイトしていたというブランドストーリーにつながっている
ロゴの「NOMEL's」を反転すると「LEMON(レモン)」と読める。これはInstagramで自撮りに使われることを意識しての工夫だ

(フリーライター 堀井塚高、写真提供 日本コカ・コーラ)

[日経クロストレンド 2021年6月18日の記事を再構成]

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