食器棚やキッチン下のキャビネットがにおうのは、水気の残った食器や鍋、ボウルなどを収納し、カビ臭くなっているからだ。完全に乾かした状態で入れるよう心がけるとともに、可能なら扉を少し開けて空気の流れをつくるとよい。重曹を小皿などに入れ、棚のなかに置いておくのも防臭効果がある。

重曹は魚焼きグリルのにおいを防ぐのにも役立つ。トレーに粉のまま敷き詰めておくと、魚を焼いた後にグリル内がにおいにくい。

そもそもキッチンのにおいは「細菌」と「燃焼」によるものが大半、と解説するのは、公益社団法人におい・かおり環境協会理事で、大同大学工学部教授の光田恵さんだ。

「細菌は30~40度の環境で水分が豊富にあると活発になる。ゴミの置き場所は涼しいところがよく、においが出やすい生ゴミ、特に魚や肉から出た生ゴミは、回収日まで冷凍保存するのもおすすめ」と光田さん。1日の家事が終わったら、排水口に50度前後の湯を洗面器一杯分ほど流した後、氷をたっぷり入れて夜間に冷やしておくと、カビや菌の繁殖を防げるともいう。

菌は空気中にも素材の表面にも存在し、エサがあることで活動はより活発になる。油煙や食材が飛び散ったコンロ周辺などについたホコリからカビや菌が繁殖する。菌のエサを排除して清潔に保とう。

かたや「燃焼」によるにおいは、加熱調理で酸化分解されることで発生する、におい物質を含んだ水蒸気や油煙。これらは残留しやすいので、調理の際は必ず換気扇を回し、速やかに排出しよう。熱い外気を取り込みたくない冷房中は、換気扇に近い窓を開けると局所換気になり、部屋全体の温度上昇を防げる。

在宅勤務で家での食事回数も増えた。台所のにおいを封じ込め、快適な環境を保とう。

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シンクの排水口がにおう場合は……

排水口の間近がにおう場合はストレーナーあたりに雑菌が繁殖している場合が多い。ストレーナーやその下のパーツを外し、漂白剤や重曹で清潔にしよう。また排水管の途中には、下水道からの臭気や害虫を防ぐために水をためる「封水」という場所がある。長期に留守をするとここの水が枯れ、においが上がってくることがある。水を流してためるようにしよう。

排水管内に蓄積した汚れによって悪臭が発生することもある。油やゴミを流さないよう配慮し、パイプ用洗剤で定期的に洗浄すると臭気を防ぐことができる。

(ライター 土井 ゆう子)

[NIKKEIプラス1 2021年6月19日付]