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点滴投薬や酸素吸入が必要になる場合も(写真はイメージ) =PIXTA

点滴投薬や酸素吸入が必要になる場合も(写真はイメージ) =PIXTA

新型コロナウイルスが引き起こす肺炎にかかって入院すると、どんな治療を受け、どういう生活を送るのか。入院者数を伝えるニュースを見るたびに気になっていたが、なかなか実情を知る機会がなかった。ところが、知り合いの編集者が退院したと聞いたので、様子を尋ねてみたところ、意外な入院生活がわかってきた。

梶原「いやいや、Aさん、大変でしたね。入院したのは、どんな病院でしたか」

Aさん「東京都内の大学病院でした。区の保健所から指定されました」

梶原「入院するときはどうやって向かったんですか。もう陽性判定が出ているから、公共交通機関は使えないですよね」

Aさん「はい、タクシーも使えません。だから、保健所が専用のワンボックス車を手配してくれました。自宅前まで迎えに来てくれます。車内はビニールシートが張り巡らせてあり、運転者が感染しないよう、十分に配慮されている『感染者搬送専用車』です」

梶原「病院に着くと、どういう手順で入院になるのでしょう」

Aさん「病院に入ると、名前を確認したうえで、隔離された個室へ直行です。院内の移動手順も工夫されていて、看護師が『患者さんが通ります』と呼び掛けると、通路から人が消えます。そのまま無人の通路をスーツケースを押しながら、案内に従って病室へ。エレベーター利用を避けるためなのか、1階の部屋でした」

梶原「病室の広さや設備は、どんな感じですか」

Aさん「保健所からの事前説明では『3畳間ぐらいの狭い病室ですが、大丈夫ですか』と聞かされていました。最初からそのつもりでいたので、実際に病室を見ても、そんなに狭いとは感じませんでした。トイレや洗面所まで含めた全体の広さは4畳半ぐらいでしょうか。室内は奥にベッドがあり、出入り口に近い手前に洗面台、カーテンをはさんで洋式トイレがあります」

梶原「いわゆるワンルームマンションみたいな間取りだと思えばいいのでしょうか」

Aさん「ワンルームマンションには通常、トイレのドアがありますが、この病室にはトイレエリアを囲うドアがありません。便座がむき出しです。おそらくこの病室は急ごしらえの仮設ではないかと感じました。なぜなら、トイレや洗面台の排水が空気吸引式で、きちんと下水道が通っている感じがしなかったからです。便座に腰掛けている姿をドア越しに見られないよう、シャワーカーテンが備えてあります。一方、バスタブやシャワーはありません。退院するまで入浴のチャンスはありませんでした。テレビと冷蔵庫は有料で利用できます。電源コンセントはあるので、スマートフォンやタブレットの充電は可能でした」

梶原「入院期間は何日間に及びましたか」

Aさん「合計で13日間です。当初はもう3日ほど、かかる見込みでしたが、割と回復が順調だったので、短縮してもらえました。入院した時期は5月下旬から6月初旬です」

梶原「そもそもどういう経緯で感染し、入院する運びになったのですか」

Aさん「いまだに感染経路は思い当たりません。というのは、ほとんどリモートワークを続けていて、出社ペースは10日に1日程度と、極めて低かったからです。しかも、外食や人混みは避けていて、外出は食材の買い出し程度でした。しかし、37℃を超える発熱が続いたので、『もしや』と思って、PCR検査を受けたら、陽性判定が出たので、保健所に連絡しました」

梶原「入院直後の診断や説明は、どういったものでしたか」

Aさん「入院してすぐにあらためてPCR検査を受け、英国型変異株(アルファ)と判定されました。レントゲン検査とCT撮影も受けました。診断にあたった呼吸器の専門医からは『肺のかなり広い範囲に炎症が広がっている』と言われました。

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