ガッキーで脱・お母さんブランド

雪肌精は和漢植物由来の美容成分が特徴で、最初は化粧品専門店で販売員によるカウンセリング化粧品として売られていた。品質の良さと効能が人気を呼び、07年には松嶋菜々子を初めてミューズとして起用し、テレビCMも放映。認知が一気に広がり、ドラッグストアでも取り扱われるようになったことで、インバウンド客も獲得した。とりわけ漢方が根付く中国人客からは、漢字ロゴへの親和性も相まって熱烈に支持された。

一方、根強いファンを獲得しユーザーの離脱率が低くなれば、購買層の高齢化は避けられない。いつしか雪肌精は「お母さんが使うブランド」として若い層から認知されるようになった。そこで12年に若年層からの支持が高く、ブランドの世界観とも合致する新垣をミューズに起用し、ブランドの若返りを図った。「ガッキー効果」により、若年層に「自分たちのブランドだ」と認識させることに成功、その認知度は8~9割に上った。

国内の若年層に「自分たちのブランドだ」とイメージづけた新垣は雪肌精のグローバルミューズでもある

インバウンド需要の追い風もあり右肩上がりの成長を続けていたが、「中国での人気が落ち着き、売上高300億円を記録した15年をピークに踊り場状態に入った」と、コーセーの山内鞠那氏は明かす。

その一方で、日本国内での人気は維持できていたため、リブランディングで積極策に打って出ることにした。ただ、コーセーを代表する35年もの歴史を持つブランドをリブランディングするのは、そう簡単ではない。「ロゴを英字にすること1つ取っても、消極的な声はあった」(山内氏)。しかし丹念に説得を繰り返し、何とか実現にこぎ着けた。

そんな肝煎りのリブランディングだけに、力が入るのも当然だろう。新垣結衣という国民的女優をブランドのミューズに起用しつつ、さらにこちらも朝ドラ女優として国民の認知度が高い永野・清原の2人を追加で起用したコーセーの狙いは何なのか。

新しく雪肌精のCMに起用された永野芽郁
クリアタイプのキャラクターに起用された清原果耶
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分担して製品特徴を明確に