そうめんをごちそうに変える缶詰 専門家一押しの3選黒川博士の百聞は一缶にしかず(4)

2021/6/25

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缶詰と合わせれば、そうめんもごちそうに変わる
缶詰と合わせれば、そうめんもごちそうに変わる

そうめんが恋しい季節。そんなそうめんの良き相棒といえば、缶詰であります。魚介や肉など様々な食材がそろうので、味にバリエーションがつき、あっさりしたそうめんが一転、ごちそうに変身する。食べ方としては、めんつゆに缶詰の具を入れ、麺にまぶしながら食べるのが基本である。サバ水煮缶だったら、めんつゆに缶汁も加えることで、サバだしがプラスされ、つゆ自体がパワーアップする効果もある。今回はそうめんと特に相性のいい缶詰を3つ選んでみた。食べ方も一風変わっているので、ぜひお試しあれ!

ところで、正しく作ったそうめんは実においしい。大きな鍋でゆで(小さな鍋だと麺同士がくっつく)、表示通りの時間で引き上げて冷水でしっかり洗う(麺に含まれる油分を落とす)。ザルに上げたらぎゅっと絞り(余計な水気を切る)、器に盛りつける。器には氷を入れない(冷たすぎるとそうめん本来の甘みが分からない)。

この手順を教えてくれたのは、「そうめん発祥の地」と言われる奈良県桜井市出身の友人だ。実際に作ったそうめんは、歯応えも風味もまるで違い、がぜんおいしくなった。

高木商店「さば醤油(しょうゆ)煮」(190グラム、400円)

まず紹介したいのが、高木商店(茨城県神栖市)の「さば醤油煮」。工場が利根川の河口にあり、銚子漁港(千葉県)と波崎漁港(茨城県)に近いため、水揚げされた新鮮な魚を仕入れることができる。長年、大手メーカーの受託製造も手掛けており(つまり同業他社からの信頼が厚い)、缶詰業界では知らぬ人がいない老舗メーカーである。

そのさばしょうゆ煮で作るのが、滋賀県長浜市の郷土料理「焼きサバそうめん」。厳密には、それをマネた料理だ。本来の焼きサバそうめんは、香ばしく焼いたサバを甘辛いしょうゆで煮付けて具とし、煮汁はそうめんに掛けてつゆにするのだが、そんな郷土料理もサバ缶があれば簡単に再現できる。

滋賀県の郷土料理をまね、サバ缶で作った「焼きサバそうめん風」

作り方はいたってシンプル。ボウルに缶汁だけを入れ、ゆでてよく水気を切ったそうめんを入れて混ぜる。そのままだと味が薄いので、市販のめんつゆ、あるいは砂糖としょうゆを合わせたものを、お好みで加えて混ぜる。そうして味付けしたそうめんを皿に盛りつけ、上にサバの身をのせれば缶成(完成の意)。

トッピングには香り高く歯ざわりのよい九条ネギがおすすめであります。ちなみに、サバ缶はしょうゆ煮ならば、どのメーカーのものでも再現可能だ。