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そうめんをごちそうに変える缶詰 専門家一押しの3選

黒川博士の百聞は一缶にしかず(4)

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NIKKEI STYLE

そうめんが恋しい季節。そんなそうめんの良き相棒といえば、缶詰であります。魚介や肉など様々な食材がそろうので、味にバリエーションがつき、あっさりしたそうめんが一転、ごちそうに変身する。食べ方としては、めんつゆに缶詰の具を入れ、麺にまぶしながら食べるのが基本である。サバ水煮缶だったら、めんつゆに缶汁も加えることで、サバだしがプラスされ、つゆ自体がパワーアップする効果もある。今回はそうめんと特に相性のいい缶詰を3つ選んでみた。食べ方も一風変わっているので、ぜひお試しあれ!

ところで、正しく作ったそうめんは実においしい。大きな鍋でゆで(小さな鍋だと麺同士がくっつく)、表示通りの時間で引き上げて冷水でしっかり洗う(麺に含まれる油分を落とす)。ザルに上げたらぎゅっと絞り(余計な水気を切る)、器に盛りつける。器には氷を入れない(冷たすぎるとそうめん本来の甘みが分からない)。

この手順を教えてくれたのは、「そうめん発祥の地」と言われる奈良県桜井市出身の友人だ。実際に作ったそうめんは、歯応えも風味もまるで違い、がぜんおいしくなった。

まず紹介したいのが、高木商店(茨城県神栖市)の「さば醤油煮」。工場が利根川の河口にあり、銚子漁港(千葉県)と波崎漁港(茨城県)に近いため、水揚げされた新鮮な魚を仕入れることができる。長年、大手メーカーの受託製造も手掛けており(つまり同業他社からの信頼が厚い)、缶詰業界では知らぬ人がいない老舗メーカーである。

そのさばしょうゆ煮で作るのが、滋賀県長浜市の郷土料理「焼きサバそうめん」。厳密には、それをマネた料理だ。本来の焼きサバそうめんは、香ばしく焼いたサバを甘辛いしょうゆで煮付けて具とし、煮汁はそうめんに掛けてつゆにするのだが、そんな郷土料理もサバ缶があれば簡単に再現できる。

作り方はいたってシンプル。ボウルに缶汁だけを入れ、ゆでてよく水気を切ったそうめんを入れて混ぜる。そのままだと味が薄いので、市販のめんつゆ、あるいは砂糖としょうゆを合わせたものを、お好みで加えて混ぜる。そうして味付けしたそうめんを皿に盛りつけ、上にサバの身をのせれば缶成(完成の意)。

トッピングには香り高く歯ざわりのよい九条ネギがおすすめであります。ちなみに、サバ缶はしょうゆ煮ならば、どのメーカーのものでも再現可能だ。

国分グループ本社(東京都中央区)の「缶つま」シリーズは、原料と製造法にこだわったグルメ缶詰として知られている。現在70種類もの商品を展開しているが(2021年春時点)、そのすべてが酒のつまみを目的に開発されているという、実にふらちなシリーズであります(失礼!)。世界を見渡しても、こんなシリーズは他に存在しない。

中でも「マテ茶鶏のオリーブオイル漬け」は、臭みがなく軟らかい「マテ茶鶏」というブランド鶏を、エクストラバージン・オリーブ油に漬けた1品。味付けの基本は塩とガーリックで、オリーブ油の香りが豊かだから、白ワインとの相性がとてもいい。

そのオリーブ油にそうめんを浸すと、まるで冷製パスタのような味になるから面白い。オリーブ油にマテ茶鶏のうま味が溶け込んでいるのと、ガーリックが利いているからに違いない。料理名は「マテ茶鶏のオリーブそうめん」としておこう。

マテ茶鶏のオリーブそうめんは、器に缶のオリーブ油を全量入れ(けっこうな量がある)、しっかり水気を切ったそうめんを浸してから、マテ茶鶏をのせる。最後に青シソやミョウガなど、お好みの薬味を添えれば缶成であります。マテ茶鶏は箸でもちぎれるほど柔らかいので、麺にまぶしながらいただこう。

最後は1缶千円超の高級サバ缶をご紹介。アバランチ(大阪市西区)の「No.38(ナンバー・サーティエイト) 風味爽やか彩りマリネ仕立て」は、サバをパプリカ、タマネギなどと一緒に甘酢に漬けたマリネ風のサバ缶だ。

マリネというと、酢に漬けたせいで食材から水分が抜け、パサつくことも多いが、この缶詰は脂が乗ったノルウェーサバを使うことでその問題を回避している。しっとりジューシーなサバは、かめばサバ本来のうま味に加え、食欲をそそる甘酢がじゅわっと染みだしてくる。

マリネ仕立てのサバ缶を使ったそうめんも、作り方はとてもシンプル。缶汁を器に入れ、ゆでて水気を切ったそうめんを浸して、味をよくなじませる。その上にサバの身と、缶に入っているパプリカ、タマネギをのせれば缶成であります。

甘酢が染みたそうめんは爽やかで、ほどよい酸味が後を引く。味が物足りなければめんつゆを足してもいいし、エクストラバージン・オリーブ油をかければ、オリーブ油の鮮烈な風味が加わって本格的な一品料理になる。

この缶詰を企画・販売しているのは缶詰メーカーではない。大阪の「アバランチ」という広告制作会社であります。

なぜそんな畑違いの会社がサバ缶を手掛けたのか? きっかけは設立20周年の年に、記念品でサバ缶を配ったことだった。社名がアバランチだから、サバランチというサバ缶があったら面白いんじゃないかという、ダジャレからの発想だった。

しかし、どうせ配るなら市販品ではなくオリジナル品にしようと決意。レシピを考え、製造を委託した缶詰メーカーとともに試行錯誤を繰り返した。そうしてできあがったサバ缶を配ったところ、予想を超える好評だったため、市販化に踏み切ったという。

味付けは他にも「3種の厳選胡椒(コショウ)仕立て」「スパイス香る芳醇(ほうじゅん)カレー仕立て」など、オリジナリティー豊かなものばかり。パッケージも美しいから、贈り物にも最適であります。

今回のそうめんレシピは、どれも缶詰の汁を味付けに使うのが特徴だ。基本的には缶詰1缶で2人分のそうめんが作れるが(そうめんは乾燥状態で1人分70グラム)、缶汁だけでは味が物足りない場合もあるので、普段お使いのめんつゆを足して、お好みの味に調整し、お楽しみいただきたい。

(缶詰博士 黒川勇人)

黒川勇人
1966年福島市生まれ。東洋大学文学部卒。卒業後は証券会社、出版社などを経験。2004年、幼い頃から好きだった缶詰の魅力を〈缶詰ブログ〉で発信開始。以来、缶詰界の第一人者として日本はもちろん世界50カ国の缶詰もリサーチ。公益社団法人・日本缶詰びん詰レトルト食品協会公認。

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