仕事を抱え込む人はご用心 定年間際の人事異動の意味20代から考える出世戦略(112)

写真はイメージ=PIXTA
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プレーイングマネジャーが9割ともいわれる日本企業の管理職ですが、役員に出世する人は、早々に部下に仕事を任せています。一方で、思い入れがあり、誰よりもうまくできるという自信のある仕事ほど、任せづらいのも事実です。しかしいつまでも仕事を抱え込んでしまうと、出世どころか、活躍の場を失うことになりかねません。

「仕事を抱え込む人」ほど実質定年が早くなる

後輩に任せるより、自分でやった方が早い。そう考えるのは当然です。それに、仕事を依頼した上司やお客さんのニーズにこたえるためにも、スキルが高く経験もある自分がやった方がよいのはまさにそのとおりです。

さらにいえば、仕事を後輩に任せてしまうと、自分の首をしめることになる可能性もあります。たとえば高度な知識と経験がないとうまく進められない仕事を誰にも教えずにおけば、いつまでも会社に必要とされるからです。

60歳の定年後、65歳まで再雇用されるとしても、自分しかできない仕事があるとすれば、給与を減らされずに済むかもしれない、と考える人もいます。

けれども人事部の考えは違います。

仕事をひきつがない。マニュアル化しない。抱え込んでしまう。そんな人に対しては、早めの三くだり半が突き付けられることが増えてきました。

ビジネスパーソンにとっての三くだり半とは定年と思われがちです。けれども隠れた定年があります。隠れた定年は、60歳を待たずにどんどん適用されています。

それは異動です。

「総合職正社員」はほぼ異動を拒否できない

人事に詳しい方であれば、従業員の異動について、それがむちゃなものだったら認められない、ということをご存じでしょう。

けれども実際には、総合職として新卒採用された正社員であれば、異動についての拒否が難しくなります。細かい話は裁判判例の解釈記事などにゆずりますが、採用時点から異動可能性がほぼない、ということを示されていない限り、総合職正社員は会社の指示に従う必要があります。

また、働いている会社が大企業で、給与水準が高いだけでなく、解雇もほぼないとすればどうでしょう。年齢が高くなるほどに、異動命令を断って、転職を選ぶ人の割合はどんどん減ってゆきます。

総合職正社員ばかりの大企業の人事部では、もちろんそんなことを熟知したうえで、「仕事を抱え込む人」への対策を考えるわけです。

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異動が定年になってしまうのは評価が下がってゆくから
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