設営・片付けが楽な小型テント10選 日よけやごろ寝に
新型コロナウイルス下の公園で、見かけることが多くなった小型のテント。「密」を避けてちょっとしたアウトドア気分を味わえ、日よけやごろ寝にもってこいだ。持ち運びや、設営・片付けがしやすいテントを専門家が選んだ。
1位 ニトリ フルクローズシェード ウェーブISH
610ポイント 軽くて手ごろな「お値段」
約4000円という手ごろな価格と一定の品質を確保したバランスが評価され、首位に輝いた。軽量で持ち運びがしやすく、広げるとポップアップ式で一瞬でテントが立ち上がる。背面にはメッシュの窓があり、風も通る。扉部分のファスナーを閉めればプライベートな空間になり、着替えや授乳などにも使えそうだ。
畳み込む際にはやや力がいるが、「収納袋に空気穴が空いていて膨らみにくく、しまいやすい。品質に対する価格の安さという点で優れている」(成木海次郎さん)と、コストパフォーマンスは抜群。「このデザインと機能でこの価格。柄も涼しげで必要な機能のみを残し、価格をしっかりと抑えられている」(岡宏昭さん)と評価された。
店頭でも人気が高く、ニトリによると現在は在庫切れで次の入荷は7月中旬以降になるという。子育て世代からも「家族でゆったりするほどの広さではないが、ここをベースに外遊びをするには十分。コンパクトで扱いやすい」(AYUMIさん)と使いやすさが支持された。
価格を抑えた分、側面には窓がないなどシンプルさが特徴だ。夏場に屋外で使うと蚊などの虫が気になる人もいるだろう。「フロントの扉部分に虫よけのメッシュがあるとよかった」と改善点をあげる専門家がいた。「前に張り出すフロアシートがあればもっと使いやすくなるはず」との提案もあった。
「あと1000円高ければ割高感が出てくる」との声もあり、手軽に使いたい人にとっては十分だが、アウトドア経験が豊富な人には少し物足りないかもしれない。
(1)3990円(2)約1.6キログラム
2位 コールマン クイックアップIGシェード+
590ポイント 日差し遮り涼しく
遮光性が抜群の高機能ポップアップ式テント。「ダークルーム」という独自技術で室内は暗く、「夏の日差しを遮って涼しく過ごせる。上部に通風口もあるので熱がこもりにくい」(牛島義之さん)。昼寝には最適という声もあった。
小型のテントには珍しく、耐水圧が約3000ミリメートルと高く「突然の雨にも対応できる」(長谷部雅一さん)。防虫効果のあるメッシュも採用。持ち運びにも困らない重さで、比較的片付けもしやすい。
首位のニトリと同様、「テント前の地面に張り出せるシート部分があればよかった」と惜しむ声が複数あがった。窓はそれほど大きくないので、せっかく屋外で使うのに「開放感が乏しい」との指摘もあった。
(1)9280円(2)約2.7キログラム
3位 LOWYA ポップアップテント幅200
580ポイント おしゃれで豊富なデザイン
おしゃれなデザインが人気。比較的広めで、前後をオープンにできるので開放感がある。扉部分にはファスナーで開け閉めができるメッシュもついているほか、前方に張り出せる十分な広さのフロントシートもあり、アウトドア気分を満喫できる。
伊藤光太郎さんは「デザイン、機能、携帯性、価格のバランスが良く、自分が妻にプレゼントするならこれ」だという。「軽いので比較的力のない人でも持ち運びをしやすく、内側にポケットやフックもあり便利」(天野ひかりさん)と女性からの評価が高かった。
デザインは9種類。側面上部には小窓があるが、テントの生地は光を通しやすく「裏面にシルバーコーティングがないため、真夏で無風のときは暑さが厳しいだろう」との見方も出ていた。
(1)6290円(2)約3キログラム
4位 山善 ポップアップテントTGS-6UV
490ポイント 風通し良く十分な広さ
ポップアップ式ながら十分な広さがあり、「全面にメッシュの開口部があって通気性の良さが魅力的。木陰にいるような心地よさを感じることができそう」(渡部郁子さん)。フロントシートも足を伸ばせて便利だ。開口部を閉めることもできるので着替えも可能。窓は大きく、開放感がある。
山善は家庭用機器を幅広く展開しており「家電同様に機能をしぼって値段を抑えながらも、十分な機能」(石田礼さん)。一方で「地味」「おしゃれなデザインが加われば最高」と改善に向けた注文も出ていた。
(1)オープン価格(実勢価格は約4300円)(2)2.2キログラム
5位 CHUMS ポップアップサンシェード3
400ポイント 目立つ色合い、重し袋も
赤い色が際立ち、小型テントが林立する週末の公園では探しやすい。背面に大きなメッシュの窓があるが、閉め切ればプライベート空間を確保できる。「公園用としてバランスが良い」(伊藤さん)。「風で飛ばされないよう、重し用の袋や内ポケットなどがあるのもいい」(中嶋信さん)。ただワイヤがやや固めで、畳む際に力がいるという指摘もあった。
同社製品では、2本のポールを交差させて立ち上げる「ブービーサンシェード」(1万6280円)も評価が高かった。こちらはメッシュの窓で四方が開くので、開放感や広さを重視する人向けだ。
(1)8580円(2)約2キログラム
6位 DOD ワンタッチテント
370ポイント 傘のように設営しやすく
上部のロープを引っ張ると立ち上がる傘型の構造。「ロープを引くだけで完成するという仕組みは斬新でとても設営しやすく、撤収もしやすい」(成木さん)。ただロープを引くときにやや力がいるので、「簡単に引けるような工夫がほしい」との意見もあった。
「公園でキャンプ気分を味わいたい人にいい。収納はポップアップ式よりも簡単」(長谷部さん)。重さはややあるが「許容範囲。価格も1万円を切っていてお買い得」(石田さん)。「子供の遊び場に限らず、大人2人で快適に過ごせる空間になりそう」(成木さん)と用途は幅広い。
(1)オープン価格。実勢価格は約9800円(2)約3キログラム
7位 キャプテンスタッグ ポップアップテントDUO
330ポイント 軽くて手軽、価格に注文
軽くて持ち運びをしやすく、畳みやすい。やや狭いが、フロアシートに足を伸ばして開放的に使いたい人向け。「サイズも機能も公園利用にちょうどいい」(渡部さん)と手軽さが何よりのポイントだ。
軽いポップアップテントは風に飛ばされやすいため、テントの両側に重し用の「砂入れポケットなど面白い工夫もある」(岡さん)。裏地の一部にシルバーコーティングが施されているが、扉がないので日光の照り返しがある程度室内に入ってくる。サイズが小さいだけに、もう少し価格を抑えてほしいという声があった。
(1)7700円(2)1.2キログラム
8位 クイックキャンプ ダブルウォールドームテント
320ポイント 強度あり安定感、組み立てにはコツ
キャンプにも使える多機能テント。骨組みを広げて上部の部品を押すと、傘のように広げられる。ポップアップ式と比べると、「組み立てには少しコツが必要だが安定感がある。二重構造になっていてメッシュでの防虫対策もできている」(天野さん)。
アウトドアの専門家からは「たてやすく強度もある。大雨にも耐えられそう」(中嶋さん)と、急な天候の変化に対しても心強いと評価する声も。天井高があり、スペースは広め。両面に扉を付けて開閉できるようにすると使い勝手がよくなるのでは、という提案もあった。
(1)1万1800円(2)4.3キログラム
9位 ホールアース ハッピー・プチ・ハウス
310ポイント コンパクトで子供部屋のよう
「とても軽くてコンパクトで、ピクニックなどへの持ち運びも楽。かわいい柄が子供部屋のような雰囲気。子供も喜んで部屋のように使ってくれそう」(AYUMIさん)と、軽さとデザインの良さが評価された。扉がなく背面がメッシュになっており、日差しが室内に飛び込んできやすいが、屋外にいることを満喫できそう。
しまうときは下部の四隅を交差させて止める器具がついており、小さな円形に固定してから畳み込むのが特徴だ。「ポップアップとXフレーム構造を組み合わせていて畳みやすい」(牛島さん)という声も少なくなかった。
(1)5390円(2)880グラム
10位 フィールドア ワンタッチテント150
270ポイント 紫外線カット、窓は少なく
上部の2本のロープを引っ張り水平に広げると立ち上がる傘型構造のワンタッチテント。紫外線カット効果のある生地に加えて一定の耐水圧もあり、キャンプでも使える。
「完成時のテントの張り、多少の雨にも耐えられる作りにこの値段はお買い得。自分が買うとしたらこれだ」(伊藤さん)と多機能ぶりを評価する声が上がった。天井棚や内ポケットがついていたりと細部にも工夫がある。床面が「バスタブ型で砂や虫が中に入りにくい」(牛島さん)との評価がある一方、窓が少ないので公園使いではやや閉塞感があるという指摘があった。
(1)6600円(2)約2.8キログラム
コロナで需要増 畳みやすさカギ
テントはこれまでキャンプや防災用が主流だったが、コロナが新たな需要を生み出している。「安・近・短」のレジャーが注目を集めており、エルブレス新宿店の岡宏昭マネージャーは「野外でもプライベートな空間を作れる小さなテントを使う人が増えている」と話す。芝生の上や海辺で直射日光を避けられるうえ、昼寝や着替えなど用途は多岐にわたり、ピクニックにはうってつけだ。
最近はこうしたお出かけテントの種類が増えつつあるが、確認した方がよいのが畳みやすさだ。一瞬で立ち上がるポップアップ式のテントでも、フレームのバネが強く、一人の力では袋に収まるサイズまで畳み込むのが難しいものも少なくない。ポール式は組み立てに少し時間がかかっても、収納のしやすさでは安心感がある。
求める機能によって選ぶ基準は異なってくる。日焼けを避けたい人には紫外線カット効果が高い商品、開放感を優先したい人は開口部が多いほうがおすすめだ。公園によってはテントを禁じているところもあるので、事前に確認しておきたい。
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今週の専門家
(高橋里奈)
[NIKKEIプラス1 2021年6月19日付]
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