カジュアルなイタリアンレストラン「カリーナ カリーナ」があるのは、東京・神楽坂上交差点近くの早稲田通り沿い。イタリアの多くの星付きレストランで修業し、「リストランテ ヴィオレッタ」(現在は閉店)などの料理長を経て、レストラングループ「カステリーナ」のオーナーとなった大原易裕氏が運営する5店舗のうちのひとつだ。
オープンは2012年11月21日。系列の5店の中でも最もカジュアルな業態だ。
気取らない雰囲気が心地いい店内。全74席あるが、現在は主に入り口近くの5卓で営業している。
シェフの荒木友哉さんは24歳の若さ。高校時代のアルバイトを通じて料理に興味を持つようになり、高校卒業後に調理師専門学校で1年間学び、新卒で「カリーナ カリーナ」に入店した。
「僕はもともと、カフェのように気軽に入れるカジュアルなスタイルのお店が大好き。『カリーナ カリーナ』はまさに僕が好きな雰囲気のレストランで、自分に合っていると思っています」(荒木さん)
確かな技術と熱意、メニュー開発のセンスを買われ入社4年目の2020年、シェフに就任。キッチンスタッフは全員20代と若いが、技術は確か。店の雰囲気はカジュアル感と本格感がほどよく融合している。
「カリーナ カリーナ」の大きな特色のひとつが、メニューの多さ。新型コロナ前は100種類以上のメニューがあり、品目数を絞り込んでいる今でも50種類以上を用意しており、目移りして何を注文していいか迷ってしまうほど。「メニューを見て悩む時間も含めて楽しんで欲しいんです」(荒木さん)。今回は、その中でも人気の3品を紹介しよう。

「ブッラータとイチゴ、生ハムのカプレーゼ」は、旬の時季だけのスペシャリテ。
カプレーゼといえば、モッツァレラチーズとトマトが定番だが、フレッシュチーズに生クリームをはさみ込んだ「ブッラータ」にイチゴ、生ハムとリーフサラダを合わせているのがユニーク。
イチゴの甘酸っぱさ、生ハムの塩味、ブッラータチーズのミルキーなコク、リーフサラダのほろ苦さ。異なるバラバラな風味を、バルサミコ酢のこっくりした甘みが見事にまとめあげている。この組み合わせ以外考えられないほど完璧な調和で、ひと口食べれば誰もが驚く味わいだ。