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ウオーキング効果上げる秘訣 時間より歩数でカウント

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

「動かない生活」は、筋肉に脂肪筋が増える「やせメタボ」だけでなく、死亡率を高めたり認知症やがんリスクにも関わる、アンチエイジングの敵。とはいえ、なかなか運動のための時間を作るのが難しい、という人も多いだろう。「3日坊主の人は歩数をカウントして歩数を増やす、座りっぱなしの人は30分に1回立ち上がり少し動く、といったことによって効果が得られることがわかってきました」と、順天堂大学大学院代謝内分泌内科学・スポーツ医学・スポートロジー先任准教授の田村好史さんは言う。3回目の今回は、私たちが始めるべき「活動量アップ」のヒントと、メタボ化を防ぐ食事について聞こう。

◇   ◇   ◇

前回(「コロナで『動かない生活』 体力低下で死亡リスク高く」)は、「歩く、動く」ことが死亡リスクや認知症、がんリスク低下につながるという研究結果について紹介した。

「どの年代であっても、肥満の人もそうでない人にとっても、体を動かすことは重要です。なかでも、老化とともに減っていく筋肉の量を維持し、かつ、脂肪筋とならないように筋肉の質を維持していくことがアンチエイジングにつながります」と田村さんは言う。

田村さんは、筋肉を"質"と"量"という両面で考えることを提案する。

「筋肉の質を高めるのが、有酸素運動。量を増やすのが、レジスタンス運動(筋トレ)です」(田村さん)

●筋肉のインスリン感受性を高める。メタボ改善のためには、有酸素運動

有酸素運動とは、体内で酸素を使い、糖や脂肪を燃やしながら行う運動。
早歩き、水泳、自転車に乗ることなどが代表的。

●筋肉の量を増やし、筋力を高める。フレイル予防のためには、レジスタンス運動

筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動。筋トレが代表的。
主に筋肉量や筋力をつける目的で行う。基礎代謝量を高め、エネルギーを消費しやすい体を作る。

いずれも実践していただきたい重要な運動だが、多くの人が取りかかりやすいと思うのはウオーキングなどの有酸素運動だろう。とはいえ、「歩くぞ!」と思い立ったものの、ついついおっくうになって三日坊主になりがち……。そこで、田村さんは、「スマホなどで歩数を測る」ことを勧める。

「患者さんがいかに積極的に治療に関わってくれるか、という"アドヒアランス"の効果を確かめた研究があります。この研究によると、『毎日30~60分体を動かしましょう』と言うよりも『今よりも1日あたり3000歩、歩数を増やしましょう』と指導したほうが、実際の歩数が増え、血糖値の指標であるHbA1cも下がったのです」と言う。

時間よりも歩数で指導したほうがたくさん歩く結果に

成人の場合、10分歩くと1000歩の歩数に匹敵する。「3000歩増やそう」より「30~60分歩こう」のほうが多く歩いてもよいはず。なのに、どうして歩数を指導した群だけこのように効果が表れたのだろう。

 「おそらく、歩数を指導された群は、自己管理がしやすかったのだと思います。歩数計を見ると、その日の数値目標に達しているかが一目でわかり、足りてないと『じゃあ、あと1000歩歩こう』というふうに行動につなげられます。一方、時間を計るのはけっこう難しくて、その日何分歩いたかが把握できず目標を立てづらいのでしょう。歩数計はiPhoneの標準機能として搭載されているほか、無料アプリもあって簡単に手に入れられます。ぜひ入手して、1日あたり、今よりも2000歩多く歩くことを目標にしてください。最終的には1日8000歩を目指すと、メタボ予防や認知症予防など、さまざまな健康メリットがあります」(田村さん)

田村さんによれば、外来の診療では、コロナ禍でテレワークになった途端に歩数が激減した糖尿病患者が多いという。

「特に通勤していた時にたくさん歩いていた人は急激に歩数が減りました。明らかに運動不足を自覚している人が多いです。そのような場合には、『いつも通勤している時間には一度外に出て散歩するようにしましょう』と指導しています。そのように歩く時間を作らないと、歩数をいつものレベルに戻すのはかなり難しいです」(田村さん)

「まとめて30分」より「30分おき」の運動で血糖値が下がる

「有酸素運動をしっかり行うこと。加えて、座る時間の合間にこまめに動くと、プラスアルファ効果が望めます」と田村さんはアドバイスする。

じつは、「朝30分だけ運動」するよりも、座り時間の30分おきにこまめに運動(1分40秒歩く)を入れるほうが、血糖値上昇を抑制できたという報告があるのだ(下グラフ)。

「運動は20~30分継続して行わないと意味がない、と言われてきましたが、ちょこちょこと歩くだけでもしっかり効果が出ることがわかってきました」(田村さん)

30分おきのこまめな運動で血糖値が下がった

とかく「運動」というと、「ジムに通う」あるいは「ランニングウエアに着替えてジョギングをする」といったように、場所を変えて、きちんと準備をしてから"わざわざ行うもの"というイメージを持つ人が少なくないが、そういったイメージに縛られていると腰が重たくなるばかりだ。

「運動することばかりが体を動かすことではありません。わざわざ運動をする、ということができなくても、歩いたり、家事をしたり、ちょっと遠いコンビニに買い物に行く、植物に水やりする、ストレッチをする、自転車に乗るなど…こんな日常の生活活動でも、十分に身体活動にカウントできます。安静時よりもエネルギー消費が大きいものは、すべて身体活動に当てはまります。こまめに体を動かすことから意識づけてみましょう」(田村さん)

ちょっとした工夫で歩数を増やそう!

 こまめにちょこちょこ有酸素運動をプラスすることで、「筋肉の質を上げる」対策は万全だ。さらに、「筋肉の量を増やす」ためのレジスタンス運動も加えたい。

「腹筋、腕立て伏せ、スクワット。この3種類の筋トレを週2~3回行えば、上半身と下半身の大きい筋肉の量を増やし、筋力を高めることができます」(田村さん)。続けるうち、いつもより軽やかに立ち上がれる、階段を楽に上れるようになった、という実感が得られるはずだ。

筋トレはこの3メニューを

メタボを予防し筋肉の健康をキープする食事とは?

最後に、筋肉を維持するための「食事」についても田村さんにアドバイスしていただこう。

「やせメタボ」の原因となる脂肪筋のある人は、高脂肪食が多かった、ということは第1回でも教えてもらった。

「かといっておかずを減らすのはよくありません。年齢とともに筋肉は減少し、運動しても、合成されにくくなります。特に糖尿病の人は、筋肉が減少しやすいこともわかっています。筋肉減少を防ぐため、筋肉の材料となるたんぱく質を、肉や魚、豆腐や乳製品などからしっかりとりましょう」(田村さん)。田村さんのお勧めは「鶏肉」。鶏肉には、とりすぎると動脈硬化を促進する原因となる飽和脂肪酸が少ないからだ。

「量の目安は、体重1kgあたり1gのたんぱく質(体重60kgの人で約60g)。これを、おかずだけからとるとすると、『体重の5倍』と覚えてください。体重60kgの人なら、60×5で、300gの鶏肉をとります。肉100gで約20gのたんぱく質がとれます[注1]。1食あたり100gを目指せば、1日3食で目標達成できます。基準通りのたんぱく質量をとることができている人は朝食でしっかりとっている、ということもわかっています。朝食でたんぱく質をとらないと、昼と夜ではなかなか挽回できません。朝食のときに、豆腐や納豆、卵、魚やヨーグルトをとるといいでしょう」(田村さん)

当然ながら、糖質のとりすぎは血糖値を上昇させ、脂肪筋やメタボのもとになる。

「ごはんやパン、麺類は見た目でわかりやすいのですが、盲点となりがちなのが、ポテトサラダやかぼちゃの煮物、食後の果物、ジュースなど。これらは糖質が多いにもかかわらず、糖質にカウントできていない人が多いのです。これらも糖質にカウントし、もしとるのであれば主食の量を3割ほど減らす、というふうにして、とりすぎないように意識しましょう」(田村さん)

40代から進行している、メタボ化や筋肉の減少を食い止めるためには、体をよく動かして、たんぱく質を補うことが大切だ。

さらに、田村さんはダイエット志向によって「やせている女性」が年々増え続けていることで「やせメタボ」の人が今後増えていくことも危惧しているという。

「日本人女性の8人に1人、20代女性では5人に1人以上がやせと判定されています。全世界で過去20年間(1997~2016年)に女性のやせの割合が増加したのは、日本とシンガポールのみ。現状でやせている女性たちが高齢化世代に突入する頃には、糖尿病の人はさらに増え、サルコペニア(加齢による筋肉量減少)や、骨粗しょう症、転倒・骨折、さらに認知症も今よりもっと増えるかもしれません」(田村さん)

メタボやさまざまな病気リスクは体形だけでは判断できないことを心にとめよう。「歩かない」生活はダメ。「しっかり食べてしっかり動く」ことが若々しさを維持する。自前の筋肉の健康維持に努めたい。

[注1]肉や魚のたんぱく質の比率はおおむね20%程度なので、100gの肉や魚でたんぱく質を約20gとれる計算。

(ライター 柳本操、図版制作 増田真一、イラスト 斎藤ひろこ[ヒロヒロスタジオ])

[日経Gooday2021年5月31日付記事を再構成]

田村好史さん
順天堂大学大学院 代謝内分泌内科学・スポーツ医学・スポートロジー 先任准教授。順天堂大学医学部卒業。糖尿病専門医。糖尿病の臨床とともに、インスリン抵抗性や異所性脂肪、運動の効果などの研究を行う。近著に『プラクティス・セレクション 今度こそできる!糖尿病運動療法 サイエンス&プラクティス』(医歯薬出版)がある。

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