背筋が伸びた立ち姿。IT(情報技術)コンサルティング会社、フューチャー会長兼社長の金丸恭文さんは体にフィットしたスーツがよく似合う。この体形を手に入れたのは13年ほど前で、実はそれ以前、体重急増の危機に見舞われた。一念発起してトレーニングに取り組み、体形のスリム化に成功。すると自身のファッションにも革新が起きた。ゆったりスーツからスリムなブランドスーツ、さらにオーダースーツへ。ぴたりと体に吸い付くスーツはほどよい緊張感をもたらし、体形維持にも役立っている。(この記事の〈上〉は「『期限アリのクールビズって変』」フューチャー金丸氏」)
――フューチャーグループにはグルメ雑誌「東京カレンダー」があり、毎号、著名人との対談でホスト役の金丸さんが登場。その服装がとてもファッショナブルです。ご自身で用意するのですか。
「自分で決めています。実によく読んで、見て下さる方がいて、着ているものや髪形についてあれこれ指摘を受けますので、毎号同じものを着るわけにはいきません。最近は(服を購入する)お店の人も誌面に出るならと張り切って選んで下さる。対談は自己満足の服装でと考えていて、楽しみながら選びます。2015年に対談を始めてずっとスーツばかりでしたが、直近の3号くらいは世の中の空気に合わせて、カジュアルで出ています」
経営者好みのスーツとの決別 「肉体改造」から
――毎月1着分のコーディネートですと、年間で12着。10年続けると120着にもなります。
「そうなんですよね。既製服を毎月買ってそれをすべて直して……となると相当な手間。それだけの数を買うなら考えようと、5年ほど前からスーツは自分の体に最初からぴったり合うものを太田達也さんというテーラーさんに作っていただいています」
――体形もスーツ向きでとてもお似合いです。
「でも実は体形にも服装にも変遷があります。上場前は電車で通っていて通勤だけでも消費カロリーが結構ありました。ところが02年に上場すると車が必須となり、歩かない。またたくまに05年までに7キロも太ってしまい、まさに中年体形になりました。当時はゆったりめのゼニアのスーツを着ていましたが、これではいけない、と体を絞り始めたんです。一気に6キロほど落として体形は変わりましたが、絞っただけではつまらないので筋肉をつけることにしました。独自に編み出したトレーニング法を毎朝続けて16年たちました」

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