NIKKEIプラス1

肛門にかゆみを感じたときもむやみにかくのは避ける。排便時は温水洗浄便座の使用を控え、トイレットペーパーで拭くときもこすらないようにする。佐々木副院長は「ペーパーはテニスボール大にふんわりと丸めて、肛門にやさしく当てるようにして拭くといい」と勧める。

山名センター長は「入浴時にせっけんを使ってゴシゴシと肛門を洗ったり、アルコールを含むウエットティッシュなどで拭いたりするのは控えてほしい」と注意を促す。「皮膚の再生に必要な2週間ほどは肛門をこすらず、かかずにいれば、かゆみは収まることが多い」と佐々木副院長。

かゆみが悪化して痛みを伴うようになった場合、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬、皮膚の炎症を修復するステロイドが入った軟こうを使って治療することになる。

市販薬もあるが、ステロイド剤は特に自己判断での使用は難しい。服部院長は「適切な薬で正しく治療しなければ改善しない。恥ずかしがらずに肛門科を受診してほしい」と呼びかける。

まれに真菌(カビ)感染によるカンジダ性皮膚炎がかゆみの原因の場合があり、抗真菌薬での治療が必要になる。

山名センター長によると、痔の影響でかゆみが出ることもあるようだ。痔のなかでも目立ついぼ痔(痔核)では肛門が腫れて凸凹ができるために拭きにくく、周辺に残った便の刺激でかゆくなることがあるという。

かゆみの原因を見極めるためにも、困ったときは専門医に診てもらうようにしたい。

佐々木副院長は「便通の改善も欠かせない」と訴える。すっきり排便できていれば、肛門を過度に洗ったり、拭いたりしなくてもいいという。「肛門部にたまって切れが悪い出残り便、皮膚を荒らしやすい水様便になるのを避けるため、適度な運動や節酒など生活習慣の改善を心がけることが大事」と助言する。

(ライター 田村 知子)

[NIKKEI プラス1 2021年6月12日付]

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