いま注目の放送作家は? 芸域広いヒットメーカー4人特集 新ヒットメーカーの条件(7)

左から放送作家のカツオ氏、コマンダンテの石井輝明、放送作家・芸人の宮地ケンスケ氏(写真:橋本勝美)
日経エンタテインメント!

この1年は変革の時期だったバラエティ界。お笑い系番組が増加するなか、今活躍しているクリエーターにはどんな人がいるのか。日経エンタテインメント!の『テレビ業界メッセンジャー』で連載中の放送作家・カツオ氏&放送作家兼芸人の宮地ケンスケ氏、そして、『東野・岡村の旅猿 プライベートでごめんなさい…』(日本テレビ系)で、番組好きがゆえに愛あるダメ出しをして話題になったコマンダンテの石井輝明が座談会を開催。バラエティの作り手で気になる人は?

カツオ テレビの世界はクリエーターの宝庫。全員ご紹介できるわけじゃないですが、できる限りお伝えしたいですね! 新番組でいうと『新しいカギ』(フジテレビ系)がありますが、まずは樅野太紀さん。僕は、コントを書かせたらこの方の右に出る人はいないと思っているくらい、芸人さんをおいしくする放送作家です。『千鳥のクセがスゴいネタGP』(フジテレビ系)のほか、『有吉の壁』(日本テレビ系)や『有田Pおもてなす』(NHK総合)、あとは『かまいガチ』(テレビ朝日系)も。とにかく、今芸人さんが絡む企画は、樅野さんから始まってる感じがします。

『千鳥のクセがスゴいネタGP』 人気芸人が、普段とは一味違う「クセがスゴいネタ」を披露する。『全力!脱力タイムズ』のチームが制作するネタ番組。放送作家として樅野太紀氏のほか、カツオ氏、宮地氏も携わる。木曜21時/フジテレビ系 (C)フジテレビ
樅野太紀
1974年生まれ。放送作家。大阪NSC15期生。95年から吉本興業で、お笑いコンビ・チャイルドマシーンとして活動し、04年に解散。現在の担当は『新しいカギ』、『千鳥のクセがスゴいネタGP』『有吉の壁』『しくじり先生 俺みたいになるな!!』『わらたまドッカ~ン』『有田Pおもてなす』『かまいガチ』『にゅーくりぃむ』『あいつ今何してる?』『関ジャム 完全燃SHOW』『ミュージックステーション』『アウト×デラックス』『プレバト!!』など。

宮地 芸人時代を経ているので、1回芸人の気持ちになれるんでしょうね。元芸人作家の頂点だと思います。以前、『クセスゴ』で自分の担当のネタのアイデアがどうしても出てこないときがあって、「テーマに悩んでるんです」と樅野さんに電話したら、食い気味で「これとこれはどう?」って2つも挙げてくれて。自分に足りないものを数秒で出してくれる、このスピードがすごいなって。

カツオ 放送作家。『有吉ぃぃeeeee!』『ぐるナイ』『フリースタイルダンジョン』などを担当。新番組では『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』(フジテレビ系)(写真:橋本勝美)

カツオ 15年くらい前になりますけど、コントってただ台本を書けばいいと思っていたのが、樅野さんの台本はカメラワークまであったんですよ。このボケでカメラがこう来る、みたいな。芸人さんが最大限に面白くなるように。

石井 僕も樅野さんは知ってて。東京に上京してすぐくらいに、GAGの坂本(純一)さんが「樅野さんとご飯に行くから」って、呼んでくれたんです。その後に、僕らが出させてもらった番組があって、その作家が樅野さんでした。『わらたまドッカ~ン』(NHK Eテレ)の現場でもしゃべらせてもらって。

宮地 MCのたま兄の声もやってますよね。

カツオ 以前、違う番組でもキャラクターの声をやってて、そこでもちゃんと笑いを取ってました。とにかく今、芸人さん中心の番組には欠かせない方の1人ですね。

会議を回すのも演出家の技

宮地 石井は『旅猿』のファンで、出演もしてたけど。

石井 昨年コロナ禍でロケに行けない時期に、旅のプランをプレゼンする回に呼んでいただいたんですけど、愛情があふれてダメ出しみたいになっちゃったんですよ。それで今年、「ダメ出ししに来てください」ってまた呼んでいただけて。でもクリエーターと言われると……分からないですね。

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