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整える習慣

2021/6/15

整える習慣

感情と交感神経は密接な関係がある

連載では、日常のささいな部分に着目した「さまざまなコンディショニング法」をお伝えしていきます。その多くに共通しているのは、落ち着いて、冷静に、淡々と過ごせるような工夫が施されている点です。

医学的に見て、感情やメンタルの状態と自律神経(すなわち体のコンディション)は密接に関係しています。

たとえば、怒りを感じている人の自律神経を測ってみると、交感神経が過剰に高ぶり、非常にバランスが乱れていることがわかっています。血液の質も低下し、いわゆる「ドロドロの血液」にもなっています。

血液の質が下がり、血流も悪くなっているのですから、脳を始め、体の機能が低下するのは必然です。体の構造から見れば、ベストな判断力、集中力、パフォーマンスが発揮できないのは当然です。

怒りだけでなく、不安や緊張などさまざまな状況が自律神経のバランスを悪くすることがわかっています。

別の視点で言えば、睡眠の質が低下すると、夜寝ている間に副交感神経が十分に高まらないので、体はしっかりとリラックスし、休息することができません。

そんな状態で朝を迎えると、今度は交感神経が優位になっていくのですが、副交感神経が極端に低い状態のままなので、非常にバランスの悪い一日を過ごすことになります。

体の構造を理解すればするほど、いかにコンディショニング法が必要となってくるかがわかってくるはずです。

私たちの生活や行動パターン、気分や感情は自律神経と密接につながっています。

つまり、普段のちょっとした行動パターンや習慣、考え方やコミュニケーションによって、自律神経は簡単に乱れもしますし、ちょっとした意識によって体の状態を整えることもできます。

大事なのは、自分のコンディションを整え、100%に近いパフォーマンスを常に発揮できる状態をつくることです。

すなわちそれは「自律神経を整える」と同義です。

自律神経の基本構造を知り、日常生活の中で実践できる「整え方」を理解すれば、あなたのコンディションやパフォーマンスは確実に向上します。

小林弘幸
 順天堂大学医学部教授。1960年埼玉県生まれ。順天堂大学大学院医学研究科修了後、ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。自律神経研究の第一人者としてプロスポーツ選手、アスリート、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。

整える習慣 (日経ビジネス人文庫)

著者 : 小林 弘幸
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 880 円(税込み)

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