「MBAで切り開く新たな可能性」MBAホルダー・渡辺文子さん

わたなべ・ふみこ MBAホルダー。キャリアデザイン・インターナショナル株式会社代表取締役、日本CHRコンサルティング株式会社取締役、一般財団法人ポジティブキャリアデザイン協会代表理事
わたなべ・ふみこ MBAホルダー。キャリアデザイン・インターナショナル株式会社代表取締役、日本CHRコンサルティング株式会社取締役、一般財団法人ポジティブキャリアデザイン協会代表理事

日本経済新聞社(東京・千代田)と女性向け動画配信のC Channel(Cチャンネル、東京・港)が立ち上げた働く女性を応援するメディア「newme」。美容や睡眠、食事といった各分野の専門家を招き、明日のあなたのヒントとなる情報を提供していきます。今回はMBAホルダーの渡辺文子さんに、MBA(経営学修士)を目指した経緯や、取得しての変化を聞きました。

子育てしながら目指したMBA

「ITベンチャーがまだ黎明(れいめい)期の頃に主婦ベンチャーを起業しました。2人の子供を出産し、そばにいながら仕事がしたかったので、仕事を自分で作るしかないと思ったのが起業のきっかけです」

「子供のそばにいて自宅でホームページを作成していました。出産祝いのお返しなどをネットで自宅でギフトを送れる仕組みがあったら便利だと思い、作る機会になりました。当時まだ数えるほどしかネットショップがなかったので、注目を集め売り上げも上がりました」

「どこまでできるか試したかったので上場を目指して挑戦しましたが、うまくいきませんでした。何が足りなかったのか、なぜ上場しようと思ったのかを振り返りたくなりました。それがないと次に何を目指していいのかが分からず、それがMBAを学ぶきっかけになりました」

エビデンスに基づきビジネスを客観視する

「まずスクールで言われて印象的だったのが『学び方を学ぶ』ということです。自分を進化させるには、一生学び続ける必要があります。そのなかで質の良い学びをすることが重要です。自分の興味のあることだけではなく、エビデンスに基づいた確かな信頼性のある情報を学び、それを自分で疑うことで客観的に見る習慣が身につきました。学びの素地を作ることができたと言えます」

「修士論文を書く際、エビデンスベースで分析して文章を作る経験をして、学びの質が高まりました。過去の文献や研究事例をもとに、自分のやっているビジネスや目指したいビジネスが有益であるかを証明しなくてはいけません。起業した当時、人と人をつなげたい思いでビジネスをしていましたが、思いだけでは伝わらない場面もありました。エビデンスベースでしっかりと分析をして、客観的に伝えることができるようになって、新たなフィールドに行くことができたと実感します」

年齢、業種、立場の異なる仲間と切磋琢磨

「MBAには起業をしてから何年か経過してから行ったのですが、それまで起業する人の考え方や立場でしか物事を考えられませんでした。しかしMBAでは様々な立場、年齢、業種の人と話す機会があります。立場によって優先順位や考え方が違うこと、ビジネスを進めるにはあらゆる方と協調して仕事をしなければなりません。学ぶことも多かったですし今の自分の考え方を形成するきっかけになりました」

「スキルだけでなく経営的視点を持つことも重要です。『頑張っても結果が出なかった』という方もいると思いますが、そういうときには経営的視点で俯瞰(ふかん)的に仕事や立場を考えることで流れを変えられると思います。組織で仕事をする上でも自律的な組織が求められていますので、一人ひとりが経営的視点を持って仕事をするとパフォーマンスも向上すると思います」

トライ&エラーがさらなる学びに

「MBAで学んだことをそのまま実践したからといって、うまくいくわけではありません。実践してうまくいくかどうかをトライアンドエラーすることで、身につく学びになることを経験しました。MBAで学んだことでマネジメントができるようになったと思い込んでしまい、ロジカルシンキングでマネジメントを失敗したことがあります。事業計画にしても、コミュニケーションにしても、ロジックで説明すればうまくいくと思っていました。たまたま従業員の一人が掲示板に『愛が欲しい』という書き込みを見て、私に向けて書いたかは分かりませんが、私に言われているような気持ちになりました。気持ちで接していくことが大切だと実感しました」

「ロジカルシンキングだけが正しい答えを導くのではなくて、気持ちを込めながら、バランスが大事だと思いました。状況を客観的に分析して、従業員とともにやっていくにはどうしたらいいか、市場の状況はどうなのかを客観的に冷静に判断した上で、みんなで協力し合いながら組織を作っていくことが重要だと分かりました。私にとってMBAの略は『めっちゃ』『ビジネスに』『愛を』に変わりました」

(この企画は日経とC Channelが共同で展開しています)