指紋認証に音声認識。スマホライクな使い心地

使い心地もどんどん進化しており、ある意味パソコン化しているとも言える。例えば、運転席に座った途端、指紋認証でドライバーを特定してシートやナビの設定を呼び出してくれる。クルマの周囲を表示する映像もすごい。車両の周囲に設置された複数のカメラ映像とバーチャルな車両のイラストを組み合わせて、まるで自車を後ろから見ているかのような映像がモニターに映し出されるのだ。

車両に搭載された複数のカメラ画像を組み合わせてモニターに表示。さまざまなアングルからクルマの周囲を確認できる

コンパクトなAクラスから導入したインフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)」の進化も印象的だ。MBUXには「ハイ、メルセデス」と話しかけることでさまざまな機能を実行する音声認識機能があるのだが、新型Sクラスでは、前後席のどの位置に座っている人が話しかけているのかを聞き分けられるようになったのだ。つまり右後席で「暑い」と言えば、そこを中心にエアコンの冷気を届けることもできる。

ひと足先にEクラスから導入した、現実映像に案内表示を重ねる「AR(拡張現実)ナビゲーション」も面白い。ナビの画面に表示された実際の映像に、巨大な矢印のイラストが浮かび上がり、どちらに曲がるのかをドライバーに分かりやすく伝えてくれるのだ。パワーシートもタッチ操作となり、明らかに体験のデジタル化、スマートフォン化が進んでいる。

先進安全性能もアップデートされた。搭載するセンサー類を列挙すると、フロントマルチモードレーダー、フロントロングレンジレーダー、フロントステレオカメラ、後方マルチモードレーダー、360度カメラ、12個の超音波センサーなどが搭載され、機能を強化。交差点や曲がり角での右左折の際に、対向車の接近や自転車、歩行者の飛び出し、巻き込みなどの危険を検知して警告や自動ブレーキが作動するようになった。レベル3相当の自動運転機能の追加も視野に入れているという。

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新しさと伝統の両立が、Sクラスのすごさ