高い専門性を持ち、組織に興味がない人はフリーランスに

これまで専門性の高い業務に携わってきて、組織の一員であることにあまり興味がない人は、フリーランスとして働くのが合っている。その際、従来の勤務先や仕事上の取引先などと「業務委託契約」を結び、仕事を請け負う働き方ができると、安定収入がより期待できる。業務委託契約は、今年4月に施行された「高年齢者雇用安定法」でも、70歳までの就業機会の一つとして挙げられている。

ネット上で知識やスキル、経験を売買する「ココナラ」などをのぞくと、自分が「得意」とすることの市場価値が分かるので、一度調べてみるといいだろう。

注意点は、業務委託契約は年度更新が多く、そのタイミングでバッサリと契約を切られる可能性があること。また、これまでの勤務先で業務委託契約を結んだとしても、再雇用で働くのとは異なり、雇用保険や厚生年金保険の対象にはならないことも理解しておこう。

フリーランスとして働くことを考えているなら、会計や税務の基本を勉強しておきたい。サラリーマンの間は会社にお任せだった税務関係を、すべて自分で行わなければならなくなるからだ。便利なツールはたくさんあるが、使いこなすには基本ルールを知っておく必要がある。税金に関することは、国税庁のホームページなど信頼できる情報源から確認しよう。

また、業務委託は「契約書」が命綱。実際に契約を結ぶ際は、きちんと読んで不明点を問い合わせ、納得した上で契約することを忘れずに。

以上、5パターンの「定年後の働き方」と、お金の面で気を付けるべきことを紹介してきた。「自分にはこれが合っていそう」というものは見つかっただろうか。

自分の方向性を見定めたら、定年まで待たずにできるだけ早く動き始めることで、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するリスクも少なくなる。勤務先の環境が許せば副業として新たな仕事に挑戦したり、本業と並行してプロボノ活動をしたりすることもできる。また、新天地で自分のスキルを試したいなら、定年前に転職に踏み切るのもありだ。

いずれにしても、定年後にどんな働き方、生き方をしたいかをイメージして、情報収集や人脈づくりなどスモールステップでできることを始めておくことで、漠然とした不安が薄れていく。「未来の自分」が、楽しみになるはずだ。

大江加代
確定拠出年金アナリスト、元・サラリーマン女子。大手証券会社に一般職として入社。その後、総合職への転換を経て22年間勤務し、その間一貫して「サラリーマンの資産形成」に関わる仕事に従事。退社後、紆余曲折を経て再び「サラリーマンの資産形成」をライフワークとして講演活動などを行う。2015年にNPO法人確定拠出年金教育協会の理事に就任。月間10万人以上が利用する「iDeCoナビ」を立ち上げるなどiDeCoの普及活動も行っている。主な著書は『知識ゼロからはじめるiDeCo(個人型確定拠出年金)の入門書』(ソシム)。

「サラリーマン女子」、定年後に備える。 お金と暮らしと働き方

著者 : 大江加代
出版 : 日経BP
価格 : 1,540 円(税込み)

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