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◆「アーサーメッツ ゲヴュルツトラミネール2018」(1628円)

フランス・アルザス地方のワイン。ゲヴュルツトラミネールは他国でも栽培されており、地場品種と呼ぶには知名度が高いが、それは人気がある証拠でもある。

アーサーメッツ ゲヴュルツトラミネール2018

一番の特徴は他の品種にはないライチの香り。また、スパイスの風味があり、アルコール度数が高めで濃い味の料理にも負けないことから、中華や東南アジア系の料理との相性が抜群だ。

◆「ヒトミワイナリー h3 Caribou 2020 Lot2」(2035円)

滋賀県のヒトミワイナリーがデラウェアから造ったワイン。デラウェアは北米原産で本来、生食用だが、日本では最近、デラウェアのワインが増えている。

デラウェアから造った「ヒトミワイナリー h3 Caribou 2020 Lot2」

特に、このワインのようにナチュラルワイン・スタイルの微発泡性ワインは、フルーティーな味わいとジューシーな食感が持ち味で、とても人気がある。

これまで少数の国際品種による市場の寡占化が進んできたのは、フランスの文化的影響力によるところが大きい。事実、国際品種の大半はフランス品種だ。フランスワインは、遅くとも19世紀には世界的な名声を確立し、フランス料理と共に世界の食文化に大きな影響を与えてきた。

ビジネス的な背景もある。フランス品種は、欧州以外のワイン新興国でワイン造りを始めようとする個人や企業にとって、一定の需要が確実に見込める上、栽培・醸造のノウハウも蓄積されていることから、失敗のリスクが少ない。また、多くのワイナリーを傘下に収め、世界市場を相手にワインを売る大手食品企業からすれば、品種を絞って大量生産するほうが理にかなっている。

ワインのグローバル化とも言えるこうした現象は、ワイン消費が世界的に拡大した1980年代ごろから一段と加速した。その結果、いくつかの地域では、伝統的な地場品種が絶滅の危機にさらされるという事態が起き、消費者は品種の選択肢が減るという副作用も、もたらした。

地場品種の再評価は、行き過ぎたグローバル化の揺り戻しの動きとも見て取れる。しかし、企業におけるダイバーシティーが経営によい効果をもたらすのと同様、ブドウ品種におけるダイバーシティーも、ワインの新たな魅力を発掘し、新型コロナウイルスの影響などで一部に停滞感も見られるワイン市場を再活性化させる起爆剤となる可能性を秘めている。

(ライター 猪瀬聖)

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