バニラモナカジャンボ購入者の4割強はシニア世代
森永製菓では1972年に「チョコモナカ」が誕生し、96年に現在の「チョコモナカジャンボ」になった。バニラモナカジャンボはその弟分で、11年に一部地域のスーパーやコンビニなどで発売し、13年から全国販売された。19年連続で売り上げを伸ばすチョコモナカジャンボの背中を追いかけている。
チョコモナカジャンボが子どもから60~70代のシニア世代までの幅広い層に人気があるに対し、バニラモナカジャンボはここ2~3年、特にシニア世代からの支持を伸ばしている。「シニアはさっぱりした味が好き。巣ごもり時間が増加し、自分の食べたい量だけを食べ、食べきらない分は冷凍庫に戻せる、といった使い勝手の良さが受けたのではないか」(村田氏)

チョコミミを付けたのは、モナカアイス特有の課題を解決するためだ。アイスクリームの約6割が水分で、時間の経過とともにモナカがその湿気の影響を受け、パリパリ食感が失われてしまう。この課題に長年取り組んできた。
モナカとクリームが接する上下面は、薄くホワイトチョコを塗ってガード。しかし両側面はむき出しだったため、モナカを合わせた隙間から水分が漏れてしまっていた。ここをブロックするのがチョコミミの役目だ。

商品化された「ワッフルサンドアイス」のように、クリームをチョコで完全に覆えば簡単に解決する。技術的には可能だが、そうはできなかった。同社の研究所・未来価値創造センターの樫葉健二氏は「クリームが売りのバニラモナカジャンボは、チョコの割合が増えるとおいしさが損なわれます。必要な部分だけをチョコで覆い、効率的にパリパリを持続させる方法を考えました」と言う。