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「日比谷音楽祭2021」で熱唱する井上芳雄 (C)日比谷音楽祭実行委員会

コラボも楽しかった。KREVAさんとは『国民的行事』を一緒に歌いました。モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』をサンプリングした曲で、クラシックのメロディーに歌詞をつけているパートを僕たちが歌い、その間にKREVAさんがラップをはさみます。ラップを間近で聴くのもコラボも初めてなので、KREVAさんのラップの間、どういうノリでいればいいのか分からず、最初は戸惑いました。「ラッパーみたいに動かなくてもいいので、いつも通りで大丈夫ですよ」とKREVAさんが言ってくれたので、みんな自然な感じでのっていけたように思います。韻を踏みながら言葉をつなぐのも、伝えているメッセージもかっこよくて、ラップは面白い、と刺激を受けました。

KREVAさんとは、「最近の演劇界はどうなってるんですか」とか、逆に「ライブはどうしてるんですか」といった話もしました。新型コロナウイルス禍で、今は違うジャンルの人とはなかなか交流ができなかったり、新しい出会いもなかったりするので、いろんな話ができてうれしかったですね。

Little Glee Monsterさんは、僕がもともと好きなグループなので、リハーサルでは誰もいない客席で1人手拍子をしながら聴いていました。向こうからも見えたみたいで、あとで「聴いていてくれて、ありがとうございました」と声をかけてくれました。

最後は出演者全員で、いきものがかりさんの新曲『今日から、ここから』を歌いました。今回の音楽祭のために亀田さんと作った曲だそうです。本番のぎりぎりまで、歌穂さんやアッキーと「ここのコーラスはこうだよね」と打ち合わせて、いきものがかりの水野良樹さんとは「これで合っていますか」「大丈夫ですよ、今日できた形が正解なので」といったやりとりがあったり、吉岡聖恵さんには「歌穂さんの声がすごく詞に合ってましたね。歌ってもらえてうれしかったです」と言ってもらえたり。一緒につくっている感じは、やっぱり音楽祭だなと。出演者のみなさんが終始、「一緒にやりましょう」というスタンスでいてくださったのが、ありがたかったです。みんなでワイワイやれたことが幸せだったし、歌穂さんやアッキーも「こうありたいよね」と感激していました。

「Hibiya Dream Session1」のラストは、出演者全員でいきものがかりの『今日から、ここから』を歌った (C)日比谷音楽祭実行委員会

実行委員長の亀田誠治さんはエネルギーの塊

実行委員長である亀田さんと初めてお会いしたのは、2年前に音楽祭を立ち上げられたとき。もともとの発想は、ニューヨークのセントラル・パークでやっていた無料の音楽フェスティバルを見て、日本でもできたら最高だなと感じたのがきっかけで、日比谷公園での音楽祭を思いついたそうです。それでミュージカル界からもぜひ参加してほしいというお誘いをいただき、日比谷ブロードウェイにつながりました。その後もいろんな話をするなかで、ほかのジャンルの方とコラボしてみたいという僕の願いが、今回実現しました。

亀田さんは、ものすごくエネルギーのあるポジティブな方。亀田さんだからこそみんなが集まってきて、これほど大きなイベントが成立したのだと今回あらためて感じます。いつでも笑顔で、音楽界の大物プロデューサーなのに、相手を緊張させたりするようなところが全くありません。今年の音楽祭も、やることは膨大だし、状況がどんどん変わり、あきらめないといけないことも多かったと思うのですが、全然ネガティブな顔を見せない。逆に前向きに捉えて「いいですね、それ」「うまくいきますね」という言葉が返ってきます。ポジティブなエネルギーの塊みたいな人です。

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久しぶりのプリンス役は「首切り王子」