失業したらどうなる? 知っておきたい雇用保険の基本

2021/6/8
写真はイメージ=PIXTA
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「一生お金に困らない」ためには、計画的な貯蓄が欠かせないし、運用も必要です。でも、もっと大事なことがあります。それは「働き続ける」こと。働かなければ収入が得られず、収入がなければ貯蓄も運用もできません。ですから、働き続けて収入を得ることが最も重要といえます。長い人生には、いろいろな事情で仕事を続けるのが難しいと感じることがあるかもしれません。そんなときでも、働く人を支えてくれる公的な制度を活用して乗り切ってください。

働く人を支える「雇用保険」

働く人を国がサポートする仕組みが「雇用保険制度」です。今回はその仕組みをみていきましょう。

雇用保険は、働く人(被保険者)と勤務先が保険料を負担し、それを財源として主に次のような給付を行います。

求職者給付 失業した人が仕事を探すあいだ支給される

育児休業給付 育児休業中に給与が支払われないときに支給される

介護休業給付 介護休業中に給与が支払われないときに支給される

教育訓練給付 資格取得やキャリアアップのための講座を受講したときに、受講料の一部が支給される

雇用保険は、会社の正社員であれば自動的に加入することになります。パートタイマーなどでも、1週間の労働時間が20時間以上で雇用期間が31日以上といった要件を満たせば、雇用保険の被保険者になります。

雇用保険の保険料は給料から天引きされていて、その額が給与明細書の「雇用保険」の欄に記載されているので、自分が被保険者かどうかは、給与明細書を見ればわかります。

失業手当はいつ、いくら、どのくらいの期間受け取れる?

雇用保険の給付の中で、いちばん気になるのは失業手当ではないでしょうか。失業したとき給付が受けられるのは心強いですよね。ただ、どんな手続きが必要で、いくらくらい受け取れるのかは知らないという人が多いと思います。ここで確認しておきましょう。

雇用保険の被保険者が離職した場合、失業手当として雇用保険の「基本手当」が受け取れます。勤め先の倒産や解雇など会社側の事情で失業した人だけでなく、定年退職や転職などの自己都合で退職した人も対象となります。

基本手当が支給される条件は次のとおりです。

離職している

働く意思があってすぐに働ける状態にある

・自己都合の場合は、離職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12カ月以上ある

・会社都合の場合は、離職前の1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6カ月以上ある

就職せずに自分でビジネスを始める場合や、離職後しばらく休養する場合などは、基本手当は受け取れません。

基本手当の1日当たりの給付額を「基本手当日額」といい、

基本手当日額=賃金日額×給付率

となります。「賃金日額」は、離職の直前6カ月間に支払われた賃金(各種手当を含む。賞与・退職金などは除く)の合計を180で割ったものですが、年齢区分による上限があります(上限額は定期的に見直されます)。

給付率は60歳未満の場合50~80%で、賃金が低いほど給付率が高くなります。離職前の平均の賃金が月15万円だと基本手当は月11万円程度、賃金が月20万円だと基本手当は月13万5000円程度が目安です。

基本手当が受け取れる日数は、離職理由と雇用保険の被保険者期間によって異なります。

会社都合には倒産や解雇のほかに、希望退職に応じた場合や、勤務先が移転して通勤が困難になった場合、賃金が85%未満に減少した場合、上司・同僚からハラスメントを受けた場合なども含まれます。契約期間が終わったとき希望したにもかかわらず契約が更新されない、いわゆる「雇い止め」も会社都合となります。

離職理由が会社都合か自己都合なのかは、ハローワークが判断します。会社都合のほうが給付が手厚いので、転職のための離職でない場合は、離職理由を具体的に説明するとよいでしょう。

基本手当が受け取れるのは原則、退職した翌日から1年以内なので、離職したらすぐにハローワークで手続きしてください。病気やケガ、妊娠・出産・育児などですぐに働けない場合は、手続きをすれば、受給期間を最長3年間延長できます。

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失業手当を受け取るまでの流れ