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2021/6/7

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日経生活モニター会議番外編 もう一度見たい家族ドラマ

心に焼きついた名演技や名シーン。日経生活モニターに挙げてもらった「もう一度見たい家族ドラマ」にはそれぞれの思いがこもる。「北の国から」は幅広い世代が支持。「つつましい暮らし方は今の時代にこそ必要」(50代女性)との指摘も。「おしん」は高齢者の回答が比較的多く「幼いころの日本の原風景を思い出す」(80代男性)。

生放送もあった「ムー一族」(TBS)は「子供ながらに大変だろうなと思った」(50代女性)。「前略おふくろ様」(日本テレビ)は個性派ぞろい。「萩原健一、梅宮辰夫、小松政夫。みんな亡くなった」(40代男性)。「雑居時代」(同)には「石立鉄男と大原麗子の恋を応援せずにいられなかった」(60代男性)と懐かしむ声もあった。

多様化続く家族 令和の名作 期待

「家族」とはあいまいな存在だ。現行民法にも明確な定義はない。大家族、核家族、義理の親子、同居する仲間……。家族観は移ろい、テレビ視聴者の数だけ思い浮かべるカタチがある。

「家族ドラマ」の解釈も人によって異なるものだ。「おしん」は家族の物語というより一代記の印象が強いとの指摘が多かった。専門家の採点も割れた。ランク外や、個別に聞いた審査対象外のイチ押しには「パパと呼ばないで」「Mother」「家政婦のミタ」など新旧の秀作が並ぶ。

家族の日常的な距離感も、抱える闇も、世相を映しながら多様化し続ける。家族ドラマの土壌は実に豊か。名作が多いゆえんだ。ただ寂しいことに最近、名だたる脚本家や俳優が相次ぎ逝去された。アーカイブの重要性を痛感するが、全編を見られない有名作品もあるのが残念だ。

家族ドラマはこのところ刑事や医療モノに押されがち。だが、現代だからこそ描けるテーマもあるはずだ。それは「老い」か、「孤立」か。令和の制作陣はどんな名作を生み出せるのだろう。

■ランキングの見方 作品名(放送キー局)。数字は専門家の評価を点数化。文中の出演者、制作者は敬称略。(1)(シリーズ)放送開始年(2)脚本(3)主要な動画配信サイト(4)DVD・BD販売元。

■調査の方法 2020年までに地上波テレビで放送された、日本の「家族」を描いた連続ドラマで、動画配信やDVD・BDで現在も全編(シリーズ作品は第1シリーズから)視聴可能な作品の中から、専門家の協力を得て31作品を選出。ドラマに詳しい専門家が「家族の描き方」「時代性の表現」などの観点から1~10位まで順位付けし、編集部で集計した。当該作品の放送後に改名した俳優の名前は、改名後のものを表記した。

■今週の専門家 ▽宇佐美毅(中央大学文学部長・教授)▽太田省一(社会学者)▽大山くまお(ライター・コラムニスト)▽草場滋(メディアプランナー)▽小林幸恵(シナリオ・センター代表)▽田幸和歌子(ライター)▽中町綾子(日本大学芸術学部教授)▽成馬零一(ドラマ評論家)▽藤田真文(法政大学社会学部教授・メディア研究)▽ペリー荻野(コラムニスト)▽山下柚実(作家)▽山田美保子(放送作家・コラムニスト)▽吉田潮(コラムニスト)=敬称略、五十音順

(名出晃)

[NIKKEIプラス1 2021年6月5日付]


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