ぽん酢しょうゆは、他の地域はミツカンの商品が売り上げ1位だが、四国だけは馬路村農業協同組合の「ぽん酢しょうゆ ゆずの村」が譲らず1位に立つ。「四国は、各県で特色あるかんきつが栽培されており、調味料などにかんきつ類の香りを足すことが根付いている。かんきつに舌の肥えた四国県民にとって、香りや酸味などで満足できる商品として『ぽん酢しょうゆ ゆずの村』が選ばれている」(馬路村農業協同組合)

コロナ下、家庭でプチぜいたく

2020年の日経POSデータでは、コロナ下の巣ごもり需要などをとらえて売り上げを伸ばし、地域別で売り上げトップに躍進した商品が多数あった。

ビスケット・クッキーでは、六花亭製菓(北海道帯広市)の「マルセイバターサンド」が、20年にスーパーでの売り上げを大きく伸ばし、中国地域で1位だった。中国地域での来店客千人当たり販売金額は413.7円と前年同期比50.0%伸びた。首都圏で69.8%増、近畿圏で11.0%増、中京地域で67.9%増など、北海道以外の全地域で売り上げを伸ばした。

コロナ下で「北海道以外の地域やスーパーなどの店頭も含めて物産展などへの出品が増えており、購入するお客様が増えた」(六花亭製菓)。消費者からすると、普段は買えないお土産品を近場のスーパーで手軽に購入する機会が増えた。

生ちくわ・焼きちくわでは、フジミツ(山口県長門市)の「鱧入りちくわ」が九州地域で1位だった。19年は同社の「仙崎ちくわ」が1位だった。日経POSデータによると、「鱧入りちくわ」の平均価格は「仙崎ちくわ」より3割以上高い。同社は「コロナ下のプチぜいたくのニーズが増えた」と分析する。

家庭でちょっとしたぜいたくを楽しみたい消費者が増え、九州地域で以前から人気のあるフジミツの商品の中でも高付加価値商品の「鱧入りちくわ」は大きく売り上げを伸ばしたといえる。

ハードヨーグルトでは、四国地域で四国乳業(愛媛県東温市)の「メイファーム生乳ヨーグルト」が1位だった。日経POSデータによると「メイファーム生乳ヨーグルト」のカバー率は20年3月に76.2%だったが、10月には90.5%まで高まった。

コロナ禍の一斉休校で給食向け牛乳の需要が減少。酪農家を支援するため県内の量販店や生協の協力を得て特別販売するなか「周辺商材であるヨーグルトの品質の良さにも気付いてもらい、取引が増えた」(四国乳業)という。

▼調査の方法 データは日経POS情報サービスによる。調査対象は全国47チェーン(イオン、イズミ、イズミヤ、小田急商事、関西スーパーマーケット、コノミヤ、サミット、東武ストア、フジ、マルエツ、マルキョウ、ゆめマート、ラルズなど)470店舗。日経商品分類に基づき各分類内で2020年に来店客千人当たり販売金額(千人の来店客があった場合の商品の売り上げ金額)が1位の商品を抽出した。

[2021年5月27日付 日本経済新聞朝刊]