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物忘れに集中力低下… 加齢で脳が衰えるって本当?

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日経Gooday(グッデイ)

この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!

【問題】もの忘れ、集中力の低下など、加齢とともに脳の衰えを実感している人は多いでしょう。脳と加齢はどのような関係があるのでしょうか。脳に関する記述で、次のうち間違っているものをお選びください。

(1)加齢により脳は萎縮していく
(2)脳の老化は、思考、理性、コミュニケーションなどを担う前頭葉から始まる
(3)加齢とともに脳の神経細胞は減り続ける一方だ
(4)脳には、いくつになっても外部からの刺激によって変化する力がある
 
答えは次ページ

答えと解説

正解(間違っているもの)は、(3)加齢とともに脳の神経細胞は減り続ける一方だ です。脳の一部では、年齢を重ねても神経細胞が新たにつくられることが分かっています。

「脳の機能は加齢によって衰えるもの」「脳の老化は止められない」。そう思っている人は多いでしょう。その考えは、ある意味では正しいといえるし、間違っているともいえます。

なぜなら、私たちの脳は一定の発達を遂げたあとは、脳細胞が徐々に減り、萎縮していきます。脳の体積も減っていき、機能も低下していきます。こうした加齢による脳の変化は避けられない事実である一方で、脳の機能はいくつになっても高められることが近年分かってきたからです。

具体的には、(1)脳の一部では年齢を重ねても神経細胞が新たにつくられること、そして(2)脳には外部からの刺激によって変化する力があることが分かってきたと、東北大学加齢医学研究所教授の瀧靖之さんは言います。

脳は10代で最も大きくなり、その後ゆっくりと老化が始まる

脳の構造は「大脳」「小脳」「脳幹」の3つに大別されます。このうち、全体の80%を占めているのが大脳。大脳はさらに、4つの領域に分かれています。ものを見る視覚機能を司る「後頭葉」、音を聞く聴覚に関連する「側頭葉」、触覚や運動機能を司る「頭頂葉」、そして、思考や判断、感情や理性、コミュニケーションといった高度な働き(高次認知機能)を担う「前頭葉」です。

大脳の発達には、個人差があるものの、成長する順序や時期にはおおよその流れがあり、瀧さんはその様子を、「後ろから発達して、前から壊れる」と表現します。

生後からすぐに発達するのが、脳の後方に位置する後頭葉と側頭葉。3歳になる頃には、見る・聞くことは、大人と同じレベルまでできるようになります。また、言葉の理解も生後6カ月頃から進んでいきます。3~5歳頃には、脳の中央部の発達に入り、頭頂葉にある感覚野や運動野の成長スピードが加速します。

最後に発達するのが、脳の前方に位置する前頭葉。前頭葉の発達は12歳前後の思春期がピークで、人によっては20歳頃まで成長。この前頭葉が完成すると脳の体積は最も大きくなり、子どもの脳から大人の脳になります。

そして、大人の脳が完成した直後から、脳の老化がゆっくり始まるのです。それも、「最後に発達を終えた前頭葉から、すぐさま萎縮し始めます」(瀧さん)。

脳にはいくつになっても「変化する力」がある

もっとも、20歳代で脳の加齢がゆっくり始まるといっても、そのスピードは緩やかで、直ちに脳機能に影響が及ぶわけではありません。ただ、脳の神経細胞の数はどんどん減っていき、ごく一部を除いては、その後に増えることはありません。その代わり、神経細胞同士の結合、すなわち「神経細胞間のネットワーク」を増やすことはできます。そして、健康な脳を維持するために大切なのは、実は神経細胞の数よりも、このネットワークのほうです。

「脳の発達」とは、神経細胞同士が結びついていき、それにより脳の体積が大きくなることを意味します。この脳の発達には、先述したようにそれぞれのピークがあります。そして発達のピークの時期を過ぎると、脳の回路を増やすことは難しいとかつては考えられていました。ところが、ピーク期より時間はかかるものの、脳に刺激を与え続けることで、いくつになっても既存のネットワークを強化したり、新たなネットワークを広げたりすることができることが分かってきました。

「脳はいったん完成すると、その後は形態が変わることはなく、加齢や病気による萎縮が起これば変化すると考えられてきました。しかし、2004年に科学雑誌『ネイチャー』に掲載されたドイツの大学の研究チームが行った実験報告をはじめとする様々な研究から、成人してからも神経細胞同士をつなぐ情報伝達回路を変化させ、それによって脳の体積を増やすこともできることが明らかになっています。こうした脳の変化する力は『可塑(かそ)性』と呼ばれています」(瀧さん)

いくつになっても、少なくとも「海馬」は神経細胞が新生する

「可塑性」のほかにも、近年の研究で明らかになったことがあります。先ほど「脳の神経細胞の数はどんどん減っていき、ごく一部を除いては、増えることはない」と述べましたが、このごく一部の例外では、いくつになっても神経細胞が新たにつくられていることが、1998年、米国のソーク研究所のチームによる研究で判明したのです。

その例外が起こっているのが、「海馬」と呼ばれる領域です。

海馬は記憶のコントロールという重要な役割を担っています。「アルツハイマー型の認知症は、この海馬の萎縮から始まり、高次認知機能を司る前頭葉の萎縮へとつながっていきます。その結果、思考力や判断力といった認知機能の低下が起こり、最終的には歩く、食べるといった生きるために必要な運動領域のコントロールも失っていくのです」(瀧さん)

つまり、認知症の予防をはじめ脳の健康を保つには、海馬と前頭葉の体積を維持することが重要だと考えられるわけです。「いくつになっても海馬で新たな神経細胞がつくられることに加えて、外部の刺激によって変化する『可塑性』によっても、海馬をはじめとする脳の体積を増やせることが分かっています。このことは、脳は何歳からでも変えていくことができるという大きな希望といえます」(瀧さん)

大人の脳には刺激を与え続けることが重要

大人の脳を成長させたり、健康な状態を維持したりするためには、脳に「刺激」を与え続けることが重要です。神経細胞をつなぐ情報伝達回路のネットワークは、使えば使うほど太く、丈夫になっていきます。

それには、主に3つの刺激を与えることが重要だと、瀧さんは指摘します。その3つの刺激とは「好奇心」「有酸素運動」「コミュニケーション」です。また逆に、脳の老化、萎縮につながる要因も、大きく3つあるといいます。それは「喫煙・飲酒」「肥満」「ストレス」です。

この記事は、「『脳は加齢で衰える』は誤解 何歳でも『脳力』は成長する」https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/20/102600036/102700002/(田村 知子=フリーランスエディター)を基に作成しました。

[日経Gooday2021年5月10日付記事を再構成]

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