MEN’S EX

2021/6/10

玉石混交のヴィンテージ 選びのポイントは?

M.E. 耳付きならではのエイジングと美しい縦落ちを楽しめて、かつ高価すぎない。だから66前期がヴィンテージ入門におすすめというわけですね。では次に、店頭での選び方についてお伺いします。ヴィンテージのジーンズはダメージや色落ちの進み具合などによって価格にかなり差があったりしますが、どういったものを狙うのがいいのでしょうか?

西口 まずチェックしたいのは裾部分。前のオーナーによって丈詰めがされている場合、裾のアタリがなくなっていたり、全体の色落ちに対して裾だけ真新しい表情になっていたりするものが見られます。こういったものは避けたいところですね。ですから、ヴィンテージ・ジーンズ選びではウエストのサイズだけでなくレングス選びも重要なポイントになります。多少長い程度であれば、折り返してはくのもアリですね。それから、ダメージに関してはもちろん少ないものが理想的なのですが、良好な状態のものは価格も高くなりますのでバランスを見つつご検討ください。裏返してみて、リペア跡のないものがおすすめです。あとは色落ちですが、66前期に関してはリジッドと比べて60%くらい色が残っているものが合わせやすいと思います。ただ、春夏にはくならもう少し色落ちが進んだものもいいですね。より軽やかな雰囲気になります。ちなみにこちらの写真のもので40%くらいの色残りという感じでしょうか。

M.E. なるほど参考になります。ところでサイズに関しては、あえてジャストより大きめのインチを選ぶこともあると聞きますが……。

西口 確かにそういう考え方もありますね。私も少しリラックスした雰囲気で合わせたいときには、インチアップしてはくこともあります。ただ、66モデルの場合はきれいなスリムシルエットが身上ですから、まずはジャストサイズから試すのもいいかと思いますね。テーラードジャケットなどと合わせることを考えても、ジャストのほうがまとまりやすいと思います。

M.E. もうひとつ気になるところとして、ヴィンテージ・リーバイスをどう大人っぽく着こなすかという点があります。西口さんが意識しているのはどういったところですか?

西口 これは非常に難しい問題というか、永遠のテーマのひとつですね。昔から洋服業界では「501をお洒落(しゃれ)にはけなければプロにあらず」といわれます。66に限らず501は”究極の普通“といえる洋服。どんなコーディネートもできるわけですが、それゆえにどう着こなすかが難しい。自分の経験値がこれほど試されるアイテムはないと思います。私も小学生のころからリーバイスをはき続けて、本当に色々と試したうえで今に至っていますから、まずはご自身のセンスに任せてトライ&エラーを繰り返してみるのがいいでしょうね。そのうえで、あえてアドバイスをさせていただくとしたら、ジャストフィットの66前期モデルをドレスアイテムとミックスして合わせるのがおすすめです。テーラードジャケットや本格靴といったものですね。冒頭でお話ししたとおり66は細身のテーパードシルエットなので、ドレスアイテムとも抵抗なく合わせやすいのです。なおかつ、新しいものと古いものの共存による”化学変化 “を楽しめるのが面白いところですね。両者がお互いを引き立て合うことによって、本来とはひと味違った顔が見えてくる。それこそがミックススタイルの醍醐味といえるでしょう。

M.E. ただ”すんなりなじむ “だけではなくて、新しい魅力が現れてくるということですね。といったところで、第1回はここまで。次回はアイテムを変えて、大人のヴィンテージ入門を解説いただきます!

西口さんならこう合わせる! ヴィンテージの”抜け感“で王道紺ブレを味付け

ジャストサイズの66前期モデルに、スティレ ラティーノのダブルブレザーとアニエスベーのボーダーT、エンツォ ボナフェのビットローファーをコーディネート。新旧のアイテムを織り交ぜた西口流ミックススタイルだ。「色落ちしたジーンズは、ブルー系でまとめることが多いですね」とは本人の弁。色数を絞ったシンプルな装いながら、ヴィンテージジーンズならではの表情が印象的な洒脱(しゃだつ)さを醸し出している。ブレザーのボタンと靴のビットを金で統一しているのにも注目。

Styling Point 1 チーフ感覚でポケットにバンダナを

ヒップポケットにはバンダナを折りたたんで挿している。「ポケットチーフ的な感覚でプラスしていますね」と西口さん。春夏はジャケットを脱ぐ機会も増えるが、そんな場面でも洒落心を薫らせる演出だ。ちなみにチーフとは逆に、折った端を下にして挿すのが基本。

Styling Point 2 すっきりした後ろ姿も66ならではの魅力

すらりとした細身のシルエットが66モデルの真骨頂。後ろ姿もスマートだ。ちなみにイタリアではリーバイスのシルエットをお直ししてはく人も多いが、西口さんはヴィンテージ・ジーンズに関してはオリジナルを尊重して基本的に手を加えることはないそう。

※表示価格は税込みです。

撮影=若林武志 構成・文=小曽根広光

MEN'S EX

[MEN'S EX 2021年6月号DIGITAL Editionの記事を再構成]


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