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AIがメロディー自動作成 無料しかも著作権は利用者に

連載 エンターテック(11)

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NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

音楽界では、AIによってヒット曲を生み出そうとする「AI作曲」に注目が集まっています。そんな状況で、2月末にリリースされたのが「FIMMIGRM」(フィミグラム)。ボタンを押す度に、搭載するAIが楽曲の1フレーズ(8小節)を次々と生み出してくれる、無料のアプリです。ユーザーは、それを自由にアレンジすることができたり、アプリ内で撮影した写真や動画にBGMとして付けることも可能となっています。

<<エンターテック(10)「ファン向けプラットフォーム ソシャゲ的楽しさも装備」

監修を務めたのは、音楽プロデューサーで、音楽クリエーター集団・agehasprings(アゲハスプリングス)代表でもある玉井健二氏。開発の経緯や、アプリの特徴などについて、MTVジャパンやユニバーサルミュージックなどで新規事業開発を担ってきた鈴木貴歩氏が聞きました。

「FIMMIGRM」
2021年2月22日に、日本、中国、韓国で同時リリースされた、無料のAI作曲アプリ。開発・企画は、音楽プロデューサー玉井健二が代表を務める、新会社TMIKが担当する。AIによって生成された楽曲は、お気に入りに保存したり、ダウンロードすることも可能。また音楽制作を行うユーザー向けに、MIDIデータとしてダウンロードし、自由にアレンジすることもできる。それらの楽曲の権利はユーザーに帰属するため、SNS上などでシェアすることに関しても、問題などはないようになっている。

ヒット曲の法則をインプット

――FIMMIGRMを開発するに至った経緯を教えて下さい。

2004年にagehaspringsを立ち上げ、大きくしていくなかで、若手クリエーターのサウンドメイク力が思ったように伸びないと感じた時期があったんです。理由を聞くと、「アレンジを施す前の、メロディーを作る作業に時間がかかっている」と。ならばそれを自動化し、若手の教材となるようなものを作れればと考えたのが最初のきっかけ。当初はランダムにリズムのパターンが出てくるようなものをイメージしていたんですが、17年ごろから話題になり始めたAIを活用して作曲できるアプリへと舵(かじ)を切りました。

また同時に、SNSの進化から、「全ての人がオリジナルの曲を持つ時代が来る」とも考えていたので、プロだけでなく、一般の方も楽しみながら使えるアプリを意識して作っています。

――FIMMIGRMが搭載するAI作曲の仕組みは、どのようなものなんでしょうか?

現在、特許を出願中のため、あまり詳しくは話せないのですが、AIってIQの高い赤ちゃんのようなものなんです。なので、いかにヒットするメロディーや法則を学習させるかが重要で、そのインプット作業にはこだわりました。音楽というものは日々進化しており、リズムや音像は時代と共に変わっていきます。ただ、人間がいいと感じるメロディーは実は昔からそんなに変わっていない。そのあたりを計算した楽曲をアウトプットできる能力を持たせています。

例えば、カノン進行(※)と呼ばれる、J‐POPのヒット曲に多く採用されている定番コードを使用した曲を生み出すにしても、それをヒップホップやロックのリズムに乗せるのか、もしくはカントリー調にすべきかなどを、FIMMIGRMが蓄積してきた学習データを元に判断するようになっています。

※応援歌といった一体感を生みたいときに採用されるコード進行の1つで、ZARD『負けないで』、大塚愛『さくらんぼ』などで使われている。

AIが作った曲の著作権はユーザーに帰属

――AIが生み出した曲を、ユーザーが自由にアレンジできるところも面白いと感じました。

曲を構成する主な要素は、「メロディー」「コード」「リズム」の3つなんです。一般の方にも理解してもらえるよう、アプリ上でそれを可視化しているのも特徴の1つですね。そして、各ボタンをタップすることでミュートにすることも可能。メロディーを消せばBGMとして使えるし、コードを消してオリジナルの演奏を加えることもできます。他にも、BPM(スピード)やPITCH(キー)も変えられるため、それぞれのニーズに合わせて使ってもらえるようになっています。

またアプリ内で写真や動画を撮影でき、そこに曲を乗せられる仕様にしたのは、インスタグラムやTikTokといったSNSでも気軽に使ってもらえることを意識しての仕様です。楽曲の著作権に関してもユーザーのものとなるため、「これで動画に付ける音楽で悩まなくてすむ」といった声もいただいています。

――今後は、どのような展望があるのでしょうか?

AI作曲は、10年後にはもっと当たり前のような存在になっていると考えています。それに現役の音楽家である僕が正面から取り組むことに意味があると思うので、FIMMIGRMをより進化させていきたい。様々な楽器を選べるようにしたり、ほぼ完成形に近い音源を作れるようにするといったことにも、今後は挑戦していきたいですね。

◇  ◇  ◇

スズキの視点

今世界中で、音楽制作領域でのイノベーションが起きており、数年前に立ち上がったスタートアップが大型調達をしたり、M&Aされています。AI作曲もその領域ですが、玉井氏はFIMMIGRMを"音楽をより良くする制作プロセス"と定義付けており、そうしたスタートアップは少ないと思います。また、玉井氏のような現役のヒットメーカーが手掛けていることは世界的に見ても珍しく、AIの肝である"学習"の質が高いため、世界に通じるイノベーションになる予感がしています。

鈴木貴歩
ParadeAll代表取締役。"エンターテック"というビジョンを掲げ、エンターテインメントとテクノロジーの幸せな結びつきを加速させる、エンターテック・アクセラレーター。エンターテインメントやテクノロジー領域のコンサルティング、メディア運営、カンファレンス主催、海外展開支援などを行っている。

(構成 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2021年5月号の記事を再構成]

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