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東大を辞めて海外の大学へ コロナ禍が導いた大学選択

田村哲夫・渋谷教育学園幕張中高兼同渋谷中高校長

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NIKKEI STYLE

渋谷教育学園渋谷中学・高校(渋渋 東京・渋谷)、同幕張中学・高校(渋幕 千葉市)の両校を創立した田村哲夫校長(85)。東京大学など国内の難関大学のほか、海外大に合格する生徒も増えている。校長ブログの第4回では、大学の選択肢の変化について語ってもらいました。

今春も、ちょっとショックなことがありました。3月に海外大学と東京大学に合格した渋幕、渋渋の生徒3人が東大を辞めて、欧米の大学に進学したいと言ってきました。これまでも東大を蹴って、海外大を選択する生徒はチラホラいましたが、今年も3人出ました。理由は共通しています。

「せっかくがんばって東大に合格したけど、やっぱり、カリキュラムや大学生活全般で海外大のほうがより魅力的だから」

東大よりもカナダの大学へ

欧米の大学の大半は、秋入学なので、東大に入学したのに、海外大に進学するという生徒はいるのです。この3人が進学しようと考えているのは米国のミネルバ大学、そしてカナダのトロント大学とブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)です。みなさんはどう感じますか?

ミネルバ大は、今や米ハーバード大よりも入学難易度が高いと言われるユニークな新興大学です。東大を蹴って進学するのも、なるほどと思う方もいるかもしれません。また、最初から海外大を希望して今年であればMIT(マサチューセッツ工科大学)、コロンビア大学、ブラウン大学など米国の有名大に進学する生徒もいます。

トロント大もブリティッシュ・コロンビア大も世界大学ランキングでは常に上位、東大よりも高い評価を受けている面もあります。とはいえ、日本では誰もが知っているような大学とは言えないでしょう。

少し前は、東大に合格したのに他の大学に進学するといったケースはほとんどありませんでした。あるとすれば、東大の理一や理二(大半が工学部や理学部、農学部に進学する学類)に合格したが、別の大学の医学部に受かったので、医師になりたいため東大を選ばなかったという例は耳にします。そのぐらいではなかったでしょうか。

ビジコンに積極的に参加

東大は明治期に創立以来、日本の大学のトップに君臨し続けていました。しかし、今の生徒たちの意識はかなり変わってきています。受験勉強にも取り組む一方で、ビジネスコンテストなどにも積極的に参加する生徒が増えています。

その1つに「キャリア甲子園」という全国の高校生を対象にした企業の課題解決型ビジコンがあります。2020年度のプレゼン大会には、全国から7千人近く、2000以上のチームが参加しました。今年3月に決勝大会があり、渋渋のチームが総合優勝を果たしました。

東京電力からの「安心して快適に暮らせる災害に強い街づくりを目指し、自由な発想で新しいサービスを提案してほしい」という課題に対してプレゼンしました。もちろんこのような課題には受験勉強のように1つの正解があるわけではない。単純に勉強が得意な生徒が集まるわけではない。それに魅力を感じて、全国から多数の高校生が参加しています。

勉強や部活だけではなく、社会や企業の課題について、真摯に考え、解決策を模索する生徒は確実に増えています。そんな生徒はただ偏差値が高いと言うだけで大学を選択するでしょうか。自分の将来のキャリアについて真剣に考え、悩み、そのために必要な教育環境を選ぶわけです。今はグローバル社会ですから、海外の大学は当然選択肢に入るのです。難題だった留学に関する費用の問題も、今は孫正義さん(ソフトバンクグループ会長兼社長)や柳井正さん(ファーストリテイリング会長兼社長)など著名な経済人が財団をつくり支援してくれています。

「白熱教室」のような講義を

コロナ禍で、海外大への志望者は減るのではないかと思っていました。しかし、全然そうではなかった。むしろオンラインの普及で、海外大の魅力的な授業がどんどん伝わってくるようになりました。資金面に加え、地理的な距離感という障壁も下がっているわけです。米ハーバード大で政治哲学を専門とするマイケル・サンデル教授。以前NHKが「ハーバード白熱教室」という番組を制作し、話題になりました。そのとき、うちの生徒も参加しました。あのようなすばらしい講義を日本の大学の先生もやっていかないと、選ばれない学校になってしまうことを心配しています。

21年に渋幕、渋渋からも多くの生徒が東大に合格しました。合計で100人になります。しかし、「東大のオンライン講義は面白くない」という声が聞こえてきています。コロナ禍で、対面講義が難しいとしてももっと工夫できると思います。

コロナ禍ですが、今年は渋幕・渋渋では文化祭も体育祭も開催しようと考えています。一部オンラインを活用したり、密を避ける工夫をしたりして、実施していきます。各行事は生徒がみんなで考え、企画して実行する。モチベーションも高まり、自律的な生徒を育てるいい機会になります。

今は、学歴などのブランドで学校を選ぶ生徒はだんだん少なくなっています。グローバル社会の未来を見据え、将来のキャリアにプラスとなることを意識して、自分自身で進路の判断を下す生徒は少なくありません。コロナ禍の中、日本の大学も創意工夫して海外大に負けない魅力的な学校づくりを目指してほしいと考えています。

田村哲夫(たむら・てつお)
 麻布高校を経て東京大学法学部卒、1958年に住友銀行(現三井住友銀行)に入行。62年に退職し、父親が運営していた渋谷女子高校を引き継ぐ。70年から渋谷教育学園理事長。校長兼理事長として83年に同幕張高校、86年に同幕張中学をそれぞれ新設。96年に渋谷女子高を改組し、渋谷教育学園渋谷中学・高校を設立。日本私立中学高等学校連合会会長も務めた。

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