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脂肪を燃やすコツ 午前より午後、運動前にカフェイン

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日経Gooday(グッデイ)

日ごろから運動している男性が有酸素運動の30分前に多めのカフェインを摂取すると、運動中の脂肪の燃焼が活発になる―。そんな研究結果が、スペインから報告されました。同じ運動でも、午前より午後に、それもカフェイン摂取後に行った方が、脂肪の燃焼は大きくなっていました。

カフェインは運動後の疲労回復に役立つことが知られていた

これまでに行われた研究では、運動時の脂肪の燃焼は午前より午後のほうが活発に起こること、また、アスリートにおいては、持久力を必要とする有酸素運動の能力は、朝と夜は低く、午後に最も高くなることが示されていました。また、カフェインは、有酸素運動とレジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行う運動、いわゆる筋トレなど)のいずれにおいても疲労の回復に役立つことが示唆されていました。さらに、カフェインを摂取すると、運動能力の日内変動が小さくなることを示した予備的な報告もありました。

今回、スペイン・グラナダ大学などの研究者たちは、カフェインの摂取が、運動中の脂肪燃焼と有酸素運動の能力の日内変動にどう影響するのかを知るために、以下のような研究を行いました。

実験に参加したのは、15人の健康な男性(平均年齢32歳)ボランティアです。BMI(体格指数)は18.5~28(平均は25.6、日本肥満学会の基準では25以上が肥満に該当)で、全員が非喫煙者であり、日常的なカフェイン摂取量は1日に50mg未満でした。全員が、週3回以上の持久力トレーニングを、最低2年間継続していました。

実験では、これらの男性に、1週間おきに計4回、自転車エルゴメーターを用いた運動を行ってもらいました。実験のタイミングは午前または午後とし、運動開始の30分前に飲むドリンクとして、カフェイン飲料(体重1kg当たり3mgのカフェイン粉末を250mLの水に溶かしたもの)またはプラセボ飲料(セルロース微結晶を250mLの水に溶かしたもの)のいずれかを用意しました。どちらの飲料も無臭・無着色で、外見上も区別ができない状態でした。これら「午前・午後」「カフェインあり・なし」の条件を組み合わせた4通りの実験を、ランダムな順番で全て経験してもらいました。

カフェイン摂取後に運動した方が脂肪燃焼と持久力が上昇

自転車エルゴメーターを用いた運動は、気温22~24度、湿度40~50%の環境で、午前の場合は8時から11時、午後の場合は17時から20時に行いました。まず、最大値より低い強度でウオームアップを開始し、1分間に60~100回転を維持しつつ、負荷量50ワットで3分間継続、その後3分ごとに負荷量を25ワットずつ高めて、ガス交換比が1.0になった時点で5分休憩しました。脂肪燃焼の状態を示す最大脂肪酸化率(MFO;g/分)はこの運動の間に測定しました。

休憩終了後は、先ほどと同じウオームアップを行い、続けて、1分ごとに50ワットずつ負荷を高めて、限界になった時点で休憩しました。この運動の間に、人が体内に取り込むことのできる酸素量の1分間あたりの最大値を示す、最大酸素摂取量(VO2max;mL/kg/分)を測定しました。VO2maxは持久力の指標として用いられています。

すべての実験が終わってから、運動を行うタイミングとMFOとVO2maxの関係を調べたところ、プラセボ群、カフェイン群のいずれにおいても、これらの測定値は、午前に比べ午後のほうが高くなっていました(統計学的有意差あり)。

また、プラセボ摂取後に比べ、カフェイン摂取後の方が、午前、午後ともに、これらの測定値が高くなることも明らかになりました。カフェインは、午前中のMFOの平均を10.7%上昇させ、午後には29.0%も上昇させていました。VO2maxも同様で、カフェインは、午前中のVO2maxを3.9%、午後には3.2%上昇させていました。

以上の結果は、有酸素運動による脂肪酸化率に日中差があることを改めて示すとともに、運動前のカフェインの摂取は、運動のタイミングが午前か午後かにかかわらず、脂肪の燃焼と持久力を上昇させることも示しました。さらに、脂肪の燃焼は、午後に、カフェインを摂取してから30分後に運動を開始した場合に最大になることが明らかになりました。

なお、今回実験に用いられたカフェインの量は、欧州食品安全機関(EFSA)が2015年に公開した「カフェインの安全性に関する科学的意見」(参考資料:食品安全委員会ファクトシート https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf)において、急性カフェイン中毒などの健康への危険は生じないとされた量(健康な成人において、1回当たりカフェイン200mg〔体重70kgの成人の場合、約3mg/kg〕)でした。

また、上記のファクトシートには、通常の飲料に含まれるカフェイン量の例として、コーヒーは60mg/100mL、インスタントコーヒー(顆粒製品)は57mg/100mLと記載されており、今回の実験に用いられたカフェイン飲料は、本人の体重にもよりますが、それらより多いカフェインを含んでいたと考えられます。

論文は、2021年1月7日付のThe Journal of the International Society of Sports Nutrition誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Ramirez-Maldonado M, et al. J Int Soc Sports Nutr. 2021 Jan 7;18(1):5.

[日経Gooday2021年5月12日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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