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1階入り口すぐのメインの平台に展示する(八重洲ブックセンター本店)

1階入り口すぐのメインの平台に展示する(八重洲ブックセンター本店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。緊急事態宣言が続く中、人の流れは例年を大きく下回ったまま。そのためビジネス書の新刊には大きな反応が出にくくなっている。そんな中、書店員が注目するのは、デジタルトランスフォーメーション(DX)がもたらす本質的なビジネス、社会の変化を深く考察した元経済産業省官僚の本だった。

「イノベーションビジョンを世に問うた」官僚

その本は西山圭太『DXの思考法』(文芸春秋)。思考法のひと言で単純なビジネススキル本と思ったら、本書の本質を見誤る。「いま何か決定的な変化が起こりつつある」。この直観的認識から説き起こして、その変化の本質とは何か、それがビジネスや社会にどんな影響をもたらすのか、そしてその荒波はどんな思考法を用いて生き抜いていけばいいのかを深く、より本質的に思考したのが本書だ。副題に「日本経済復活への最強戦略」とある。

著者は2020年に退官した元経産官僚。現在は経営共創基盤(IGPI)シニア・エグゼクティブ・フェロー、東京大学未来ビジョン研究センター客員教授を務める。経産省時代はスタンフォード大教授だった青木昌彦氏をはじめ多くの知の巨人たちと交流を深め、IGPIグループ会長で、20年来の親交のある冨山和彦氏による解説によれば、「いわば経済社会、産業社会におけるイノベーションビジョンを政策レベル、経営レベルで世に問う仕事を共にしてきた」という。

本書が論じる決定的な変化の中心は、デジタル化だ。「高度成長期の成長を支えたカイシャや日本産業の持っていた基本的な原理やロジックと、現在のグローバル経済を突き動かしているロジック、デジタル化のロジックとが合わなくなってしまっている」。これが本書の基本認識で、そのデジタル化の基本的なロジックを伝えたいというのが著者の意図するところだ。

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