皆さんは自分の生理が「正常」なのかそうでないのか、説明できますか。実は、生理の周期や血の量は、年齢によって変わることが最近の調査で分かってきました。
新刊『生理で知っておくべきこと』(日経BP)は、日本で初めて、日本女性の生理のデータを集めた本です。今回はこの本の著者で、予防医療・栄養コンサルタントの細川モモさんに、年齢ごとの生理周期と経血量について解説してもらいました。生理の知識があれば対処法の判断ができるようになります。
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何歳で、どのくらいの血の量なのか
10代で初経(初潮)を迎え、20代、30代、40代と年を重ねていきます。50歳くらいで閉経に近づくにつれ、出血量が減り、日数も短くなっていきます。年をとって生理が変化するのは当たり前のことです。
日本女性の30万人を対象にした国立成育医療センターの調査(※1)では、生理周期が一番長くなるのは25歳頃。45歳に近づくにつれて、約3日間、周期が短くなったそうです。つまり、加齢とともに生理が来る間隔が縮まるということですね。
変わるのは周期だけではありません。30代になると、出血量も減っていきます。1回の生理で出る血の量は、約80ミリリットルといわれています。私たちの団体(一般社団法人ラブテリ)で、生理3日目の昼間に使用するナプキンの枚数について調べたところ、「3枚使う人」の割合が最多でした。
10~40代の女性に「3日目の出血量についてどう思うか」を聞いたところ、10代で「少ない」「やや少ない」と回答した人は27.4%でした。これが、20代では29%、30代では36.7%、40代では41.4%と、明らかに年を重ねるとともに出血量が減っていることが分かりました(「ソフィ」アプリ調べ/ユニ・チャーム)。
生理の血の量が減っていくと「何かの病気かな」と心配になることもあるかもしれませんが、周期も出血量も年とともに変化することを覚えておきましょう。ただ、本当に病気の場合もあります。『生理で知っておくべきこと』に詳しく書いていますが、「これはおかしいから病院に行くべきだ」などと判断できるように正しい知識を身につけましょう。
35歳くらいから、生理の周期は短くなる
先ほど述べた通り、あなたが35歳以上で、10代の頃と比べて生理の血の量が少なくなったり、周期が短くなったりしたと感じているなら、その変化は「正常」です。
35歳を過ぎた頃から、だんだん卵巣の働きが悪くなります。そうなると、脳が「卵巣よ働け!」と強く指令を出します。指令を出された卵巣は「働かなくちゃ」と頑張って排卵します。
卵巣はこれまでゆっくり働いていたのに、脳の指令を受けたことで頑張って排卵するため、生理の回数が多くなります。といっても、正常な生理の周期25~38日の範囲内ではあります。
そして40代では、卵巣が「もう疲れたよ……」となり、正常な生理の周期の範囲から外れていきます。生理の周期が一定でなくなったり、生理が来ない月があったりしながら、閉経に近づいていきます。
あなたの生理は正常ですか?
あなたの生理は正常かどうかを知っておきましょう。実は、「正常な生理」の定義ははっきりと決まっています。
・出血している日数が、3日以上7日以内
正常な生理とは、周期と出血日数で決まっていて、この二つに当てはまっているかどうかで判断できます。これに当てはまらなければ、正常な生理ではありません。
周期というのは、生理が始まった日から次に始まる前日までのことです。この周期が24日以内だと、生理が起こりすぎています。逆に、39日以上だと少なすぎます。これを「月経異常」といいます。
ただ、「その月にストレスがかかることがあった」「ものすごく忙しかった」などの理由が思い当たり、次の月に周期がきちんと戻ったとしたら、それは月経異常ではありません。

「正常な生理」の周期から外れた生理が2~3カ月続くようだったら、「月経異常」を疑ったほうがいいでしょう。
また、私たちが行った調査によると、正常な周期の人は約84%、正常な出血日数の人は96%ほどでした。あなたはどうですか?
もし、あなたの生理が正常な生理の定義から外れていたら、正常な周期や出血日数の人と比べて相当少ない割合に入ります。まずは病院に行きましょう。生理周期と日数を知ることが、自分の健康状態を知る第一歩になります。