コットンの風合いと速乾性 「いいとこどり」の一本
「HUNKY DORY(ハンキードリー)大阪店」の塚本康博氏にも話を聞いた。紹介してくれたのは福井県発祥のブランド、JACKMAN(ジャックマン)の一着だ。
「カッティングから縫製までを一貫して一つの工場で行っているのが特徴です。デザインはシンプルなものが多く、トレンドに左右されることなく着られるのも魅力のブランドです。いいものを長く着たいという方におすすめですね」
生地には伸縮性のあるポリウレタンとコットンの2種類を用いている。糸の芯はポリウレタンだが、表面は綿糸でカバーリング。それぞれの素材の持ち味を生かした一本だという。
「ポリウレタンは速乾性があり、お手入れがしやすく、形崩れしにくいのもメリットです。直接肌に触れる部分はコットン素材なので着心地もいい。洗濯するほどに生まれる、味わい深い経年変化も魅力ですね。よくあるスポーツウエアとは一線を画す、“いいとこ取り”の一本です」
TPOを問わないのは細身 アイビー風にまとめて
「最近はナイロン素材で裾幅の広いショートパンツがトレンドです。ただ、大人の男性には、あえてスラックス調のデザインで細身のものをおすすめしたいですね。そちらの方がトラディショナルな印象が強く、TPOを問わず着用できます」
そう教えてくれたのは東京都世田谷区の三軒茶屋にある「SEPTIS(セプティズ)」の白木凜太郎氏だ。条件に合う一本として、同店がBARNSTORMER(バーンストーマー)に別注をかけたショートパンツを紹介してくれた。

「1960年代から70年代にかけて日本でブームとなったトラッドスタイルの『アイビールック』を意識した一本です。当時のパンツのように裾幅がかなり細めに設定されているので、すっきりとしたシルエットです。股上の深さも絶妙で、はいた瞬間の“しっくり感”は他のショートパンツでは味わえません」
近年のトレンドとは異なる一着だが、どう着こなせばいいのだろうか。

「靴はローファーやデッキシューズ、トップスにはチェック柄のシャツを合わせて、アイビーのテイストを意識してまとめたいですね。下半身がコンパクトな分、上半身はややオーバーサイズのものを合わせるとバランスが取りやすいですよ」
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/)

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!
Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら