「ファッション誌から抜け出たような」は日本だけ

――日本人男性のファッションで気になることはありますか。

「実はひとつあります。悪いということではないですよ。変わっているなあと思うのは、男性でザ・イタリア人、ザ・イングリッシュジェントルマンとでもいうような、上から下までイタリア人、英国人のスタイルをコピー&ペーストしている人がいること。ファッション好きのフランス人でもそういう人はなかなか見つかりません。日本人なのに、ファッションがすべてイタリア人っておかしいと思いませんか。本人はそれが好きなのだから、いいのですけど……。でも、私はフランス人として日本人の格好をするのはおかしいと考えていますので、着物は着ませんし、浴衣も持っていないです」

「クラシックばかりではなくて、遊び心を取り入れてみると、生活も楽しくなる。クリストフルでもそんなカトラリーをそろえています」

――日本人特有の現象でしょうか。

「雑誌が提案したイタリアンファッションのページからそのまま抜け出てきたようなスタイルをしている人がいるのは日本特有です。でもある意味、すごいなと思います。それだけファッションを調べて知り尽くしている。日本にはいいものがたくさんある、ということでもあります」

「もうひとつ。お寿司屋さんで寿司を握る板前さんが白衣の中にネクタイをしていることがすごく謎です。どうして料理をするときにネクタイを締めないといけないのでしょうね。日本の職人さんでとても好きなのが、藍染めや植物染めといった日本の色彩や染色技術を使った、日本独自のユニホームを着て仕事をしている姿。すばらしい日本の服の文化がもっと広がってほしいです」

――気候変動や新型コロナウイルス禍によって仕事の装いが大きく変わっています。

「100年前のファッションと今を比べると女性はほんとうに変わりました。ココ・シャネルがファッションで女性を解放したような革命は、男性にはまだ起こっていません。100年前と同じような3ピーススーツにネクタイ、カフリンクスが残っているというのがおかしいと思っています。男性のファッションはそろそろ、もっと自由になったらいいなと考えています」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

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