――時計はどのくらいコレクションしていますか。

「持っているのは全部で25本くらいです。ビジネスカジュアルで通勤することが増えてからは、仕事に付けていく時計はラグジュアリーなものばかりではなく、たとえばGショックのステンレスシリーズなどもするようになりましたね。Gショックは機能もデザインもとても好きです」

時計が好きで25本ほど持っている。(左から)パネライ、カルティエ、ジャガー・ルクルト

――時計もハイエンドからカジュアルなものまで、ジェダさんはファッションでの自己表現を楽しんでいますが、日本の経営者の仕事の装いはそれほど自由度が高くないことが多く、やや保守的です。

「まじめだと感じます。ヨーロッパと比べて日本の仕事のファッションはクラシックですし、ファッション業界やデザイナー業界は別として、大手企業や銀行はかなり保守的です。でも男性はこれから、もっともっとリスクをとっていいと思います。時代が変化しているのですから」

ファッションは「やっちゃえ」

「提案したいのは、色の組み合わせや素材の組み合わせで遊ぶこと。私も今は水色と白という薄い組み合わせを好むようになりましたが、数年前はすごくコンサバで、黒やダークグレーのスーツが中心でした。グローバルにカジュアルなスタイルが取り入れられるようになって、そうしたコンサバスーツではだんだん落ち着かなくなってきました。そうして年齢を重ねて服装のさまざまなパターンを知り、世界が広がったんです」

「いい、悪いというのではないのですが、そろそろ日本の男性の服装は変わってほしいです。クールビズの提唱はとてもよかったと思います。夏はとりあえず、ネクタイは外すようになりました。ネクタイは100年前もあったもので、同じ形で100年生き残ってきました。もうお疲れさまでした、といいたくなるくらいです」

ネクタイではエルメスとフェラガモが多い。「動物や植物の連続模様の中に遊び心があるのが楽しい」。こちらはエルメスで小花柄のいくつかがスマイルになっている

――ただ、カジュアルスタイルといわれて、かえって何を着ていいのか分からない、という人も多いのです。

「何を着ていいのか分からないというよりも、やっていいのかどうか、という悩みがあるのではないですか。こんな服装をしてみたい、という気持ちがあるのに。私はやっちゃえばいいじゃん、と思います(笑い)。そこに文化の違いがありそうです。フランス人は私のように、人にどう思われようとあまり気にしません。日本の社会では上司にどう思われるか、また相手に服装できちんとして見られたい、ということを考えますよね。それが壁になって冒険ができないのでしょう。早くその壁がなくなったらいいのに」

この日の足元は赤を効かせたフランスの靴に縞の靴下という粋な組み合わせ
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