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水泳・入江選手 どん底で助けられた北島先輩の言葉

五輪メダリストに聞く(中)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

今年4月に開催された競泳日本選手権で、背泳ぎ100mで8連覇、200mは14度目の優勝という偉業を果たした入江陵介選手。100m、200mともに派遣標準記録も上回り、北島康介氏や松田丈志氏と並ぶ、4大会連続の五輪代表に選出された。

そんな背泳ぎの第一人者として国内では敵なしの入江選手だが、水泳を辞めたいと思うような挫折が幾度もあったという。31歳の大ベテランは、どんなメンタルや考え方で挫折を乗り越えてきたのか。

競技人生、うまくいかない日々の方が多かった

――16歳で日本代表入りし、2012年のロンドン五輪では、背泳ぎ200mと4×100mメドレーリレーで銀メダル、背泳ぎ100mで銅メダルを獲得し、その後も国内外の試合でトップを走り続けてこられました。順風満帆な競技人生に見えますが、水泳を辞めたいと思うことがたくさんあったとか。

ロンドン五輪でメダルを取った瞬間のことは、やっぱり忘れられなくて、あの経験があったからこそ、31歳の今も現役を続けることができ、東京五輪でまた表彰台に立ちたいという気持ちになります。続けようと思う原動力になっているんです。でも、あんな素晴らしいことは競技人生の中でもほんの一握りで、うまくいかない日々の方が多いんです。

ロンドン五輪以降、メディアや周囲からの注目度が上がり、自然に次は金メダルだと目標が定まりました。でも、ロンドン五輪後は燃え尽き症候群のようにやる気を失い、虚無感に襲われてしまいました。案の定、翌年のバルセロナでの世界選手権では、背泳ぎ100m、200mともに4位でメダルに届かず、涙をのみました。当時、大学生だった萩野公介選手や瀬戸大也選手などの若手が結果を出し、リーダーとしてチームを引っ張っていきたい自分が結果を出すことができない……。日本チームでの自分の立ち位置が分からず、存在価値すらないのではと思い、競技から離れようかと引退を口にしたこともありました。

今思えば、ロンドン五輪後、もう少しゆっくりすれば良かったのかなと思うんです。五輪が終わって、次に向かってすぐに練習を始めたので、自分自身を見つめる時間をつくれば、違う結果になっていたかなとも思います。

どん底に落ちたときに北島康介選手からもらった言葉

――2016年のリオデジャネイロ五輪を控えた前年も、フォームが崩れてなかなか修正できず、結果が出ない状態が苦しかったと著書に書かれています。

あのときの不振も、ネガティブな感情を引き起こしました。後から、陸上トレーニングを増やしてフォームのバランスを崩したことが原因だったと分かるのですが、当時は原因も分からなかった。五輪が翌年に迫り、金メダルを期待される中、現実とのギャップがつらく、不安でいっぱいでした。さらに、焦りからかコーチとの関係も悪くなり、練習にも身が入らなくなった。それでも、自分なりに厳しい練習を積んでリオデジャネイロ五輪に挑みましたが、蓋を開けてみると、100m7位、200m8位という、メダルにはまったく届かない結果でした。

アスリートとして脂がのった26歳で挑んだリオ五輪は、自分の中でも大きな区切りだと思っていたので、惜しくもない惨敗をし、もう「金メダルを取りたい」なんて簡単には言えないと思いました。レース後のインタビューでも話しましたが、自分は賞味期限が切れた人間なのかなと思うぐらい打ちひしがれ、水泳を辞めたい気持ちは強くなりましたね。ロンドン五輪で銀メダルを取ったときと同じぐらい、このときの気持ちを今も忘れることはできません。

――自分が目指す結果が出せない、スランプから抜け出せないといった八方塞がりになったときは、どうしたのでしょうか。

僕の場合、先輩たちの言葉や存在に何度も救われました。例えば、平泳ぎの世界王者だった北島康介さんや、ロンドン五輪のキャプテンだった松田丈志さんはチームをすごく大切にする選手で、僕の調子が良くないときには声をかけてくださいました。個人種目がふがいない成績でも、すぐにメドレーリレーを泳がなければいけません。そんなときも先輩たちの声がけに助けられ、前を向くきっかけをもらって、何とか泳ぎきることができました。

先ほどお話ししたロンドン五輪後の燃え尽き症候群だったときも、お二人に相談し、「1年間ゆっくり休む気持ちでやればいい」とアドバイスをもらったことを覚えています。13年のバルセロナの世界選手権でメダルが取れず、ツイッターで「自分が弱いのがつらい」とつぶやいたときも、北島さんから「弱いからつらいんじゃなくて、強いからつらいんだ」という返信をもらいました。僕以上に大きなプレッシャーと戦ってきた北島さんの言葉に、涙が止まらず、救われた気持ちになりました。努力してもうまくいかないときは、先輩やさまざまな経験を積んだ人の話を聞くと、悩みが和らぐと思います。

(次回に続く)

(ライター 高島三幸、写真 厚地健太郎)

入江陵介選手
1990年大阪府生まれ。0歳から水泳を始める。2008年北京五輪で200m背泳ぎ5位入賞。09年背泳ぎ100m、200mで日本記録を樹立。12年近畿大学卒業の年に、ロンドン五輪で背泳ぎ200mと4×100mメドレーリレーで銀メダル、背泳ぎ100mで銅メダルを獲得。16年リオデジャネイロ五輪で100m7位、200m8位入賞。東京五輪代表に内定し、競泳チームの主将を務める。イトマン東進所属。著書に『それでも、僕は泳ぎ続ける。~心を腐らせない54の習慣~』(KADOKAWA)。

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