「人生100年時代」生き抜く ライフシフト実践術『なぜ、学ぶ習慣のある人は強いのか?』

「人生100年時代」に備え、学びを深めキャリア形成に挑む

日本の高齢化が進んでいる。厚生労働省によると、2019年の日本人の平均寿命は男性が81.41歳、女性が87.45歳でともに過去最高となった。50年ほど前、1970年は男性69.31歳、女性74.66歳だから「60歳定年」には隔世の感がある。政府も少子高齢化による労働力人口の減少や社会保障費の抑制を踏まえ、労働市場への高齢者の積極的な参画を促す。公的年金の受給開始年齢引き上げに伴い、企業は65歳まで雇用確保義務を負っていたが、改正高年齢者雇用安定法の施行で2021年4月から雇用確保義務が70歳までに引き上げられた。

「人生100年時代」とされる高齢社会で、我々はどう学び、キャリアを形成すればよいのか。今回紹介する『なぜ、学ぶ習慣のある人は強いのか?』は、ビジネススクールで教鞭(きょうべん)をとる教員らが、生き方を変えるライフシフトの戦略論と、転進を果たした10人のモデルケースを紹介。人生で真に必要な「学び」の意味を解き明かす。

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著者の一人、徳岡 晃一郎氏

著者の一人、徳岡晃一郎氏は東京大学教養学部を卒業後、日産自動車に入社。人事部や欧州子会社などを経て退社し、2006年から多摩大学大学院教授。17年にライフシフト大学を開校しました。佐々木弘明氏は、神戸大学大学院経営学修士。旧・北海道拓殖銀行、大手製薬会社を経て、多摩大学大学院教授、ライフシフト大学学長。土屋裕介氏は、マイナビ教育研修事業部事業開発統括部長の傍ら、ライフシフト大学特任教授を務めています。

「なぜ」学ぶかを意識する

本書のキーワードといえるのが「ライフシフト」という言葉。日本でも2016年に刊行された経営学者のリンダ・グラットンらによる著書『ライフ・シフト―100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)で注目を集めた用語です。グラットンらは同書でライフシフトについて「人生の節目に対してまじめに向き合っていくこと」と定義していますが、本書では「自分なりの生き方、働き方を自分自身で見出し、時には大きく方向転換もしながら、自分らしく輝ける場所を見つけること」(プロローグ 2~3ページ)と解説されています。そのために何が必要か。それこそが、学びの役割であり、本質であるとする、本書に一貫して流れる主張はきわめて明快です。

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