検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

齊藤工 日本映画は変わる時期、『ゾッキ』はその象徴

特集 新ヒットメーカーの条件(4)

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経エンタテインメント!

エンタテインメントの"表"に立つ俳優や芸人などのタレントたちが、映画監督、脚本家、プロデューサーなど"裏方"のクリエーターとして才能を発揮するケースが目立っている。公開中の映画『ゾッキ』も、大橋裕之原作のマンガを、竹中直人・山田孝之・齊藤工という俳優3人が共同監督で映画化した作品だ。

齊藤工の映画監督としてのデビューは、2012年のショートフィルム『サクライロ』。以降、初の長編監督作『blank13』(18年)は国内外の映画祭で8冠を獲得、『フードロア:Life in a Box』では、20年末にAACA(アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード)で日本人初の最優秀監督賞を獲得するなど、その才能は高く評価されてきた。今回の『ゾッキ』は、彼のキャリアの中でどんな位置付けの作品と捉えているのだろうか。

「僕は竹中(直人)さんの初監督作『無能の人』に感銘を受けて、20代の最後に監督業に思い切ってトライしました。前例のないところにぐんぐん進む"山田孝之の轍"にもすごく刺激を受けた。俳優の枠に収まらないお2人の影響は僕の活動にとっても大きいものです。

ただ一方で、僕がものを作るときに意識しているのは、分かりやすくいうと"外国の目線"みたいなもの。『ゾッキ』は、『俳優、竹中直人の監督作』とか『山田孝之初監督』とか『3人の共同監督』なんて認識をされると思いますが、実は、作品にとっては局所的なインフォメーションでしかない。僕は『いいか悪いか』というシンプルで大きなジャッジに作品を導いていくことを最大の目標にしていて、それは『ゾッキ』も同じ。

作品を実際に見てみると、全体は1本の映画としてまとまりながら、各監督のバイオリズムが全然違うし、編集のリズムや作品のオーラも三者三様で、オムニバスではないのにちゃんとオムニバスになっている。そこがこの作品の魅力ではないかと思います」

そしてこの、複数の監督がそれぞれの持ち味を出したエピソードの寄せ集め的な構成が、これからの映画のある種ベンチマークのようなものになるのではないかと考察する。

「今、正直、映画館での2時間って、我慢できないんですよ。お金を払って、面白いかどうか分からない映画を見る(笑)。今回の『ゾッキ』もそれぞれの監督の担当パートだけだと短編です。映画への個人的な思いとは別に、TikTokやYouTubeが現代の速度なのかなと。要点のみをキュッと見せる映像をユーザーが選ぶ時代、映画のあり方は分岐点に来ていると思います。

一説によると、僕らが今、1日で得ている情報って、江戸時代の人たちの一生分の情報量に当たるらしいんです。人間っていうハードウェアはほとんど変化していないにもかかわらず。バグだって発生しますよね。そんな中で、映画館で過ごす時間は、情報を遮断して、感覚を研ぎ澄ませて作品と向き合う、より特別な体験になると思いますし、そうなってほしいと願っています」

オフビートで身近なリアルを

その中で体験されるべきコンテンツとはどんなものか。もしかしたら『ゾッキ』は日本映画の1つの可能性を示しているのではないか、と齊藤は言う。

「サブスクで海外の新作・有力作がリアルタイムで見られる今、メイドインジャパンが目指すところを本気で考えると、決してハリウッドを薄めたようなものじゃない。

(『ゾッキ』原作者の)大橋(裕之)さんのオフビートな、人の半径数メートルのリアル、そこにある体温、切なさみたいなものが、もしかしたら僕らが地に足を着けて描いていくものなんじゃないかな。損しないためのマーケティングをもとに、いつも同じようなキャストと内容をシャッフルして作る企画から、変わる時期に来ていると考えながら、僕はものづくりに取り組んでいます。いみじくもこのコロナ禍というものが、そのきっかけを作ってくれているというふうにも捉えています。

(ライター 武田篤典)

[日経エンタテインメント! 2021年5月号の記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_