Men's Fashion

脱ピタピタ、着丈長め スーツは「ゆるフィット」回帰

How to

2021.6.14

LEON

メンズスタイルの基本はクラシック・スーツにあり。ただし定番と呼ばれるスーツも、実は時代によって少しずつ変化しているもの。そこで今選ぶべきクラシック・スーツの要点を、わかりやすくレクチャーします。




“スマートなのにゆったり”が大きな鍵

リモートワークや巣ごもり生活等で、着用頻度が限定的になったといわれるクラシック・スーツ。しかしだからこそ、ひとたび羽織ったならば、一気に周囲と差の出る特別なアイテムなんです。

そこでまず押さえておきたいのは、ビジネスはもちろんココぞのシーンで胸を張れて、しかも昨今の流行をも踏まえた基本的なスーツの選び方。

近年のクラシック・スーツは4、5年前のピタピタ・トレンドを脱し、リラックスしながら洒脱(しゃだつ)に着こなせる適度にゆるさのある”ほどユル”フィットへと変化しています。そして上着の着丈も一時期の短め時期を脱し、レギュラー丈に回帰しているのです。

確かに微差ですが、全体のスタイルとなった時この差は歴然。昔のスーツでは絶対に今旬な洒落(しゃれ)感を演出することなど叶いません。まずは今季らしい美観をもちつつ、しかも快適な着心地へとシフトした最新本格スーツの基本事項を、じっくり解説いたします。

サイズ感のポイント その1 パンツは2プリーツのちょいゆったり

スーツ26万5100円/サルトリオ(ストラスブルゴ)、白シャツ3万1900円/アトリエ・ゴティエ(ビームス 六本木ヒルズ)、タイ1万7600円/フランコ バッシ(ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店)、時計225万5000円/フランク ミュラー(フランク ミュラー ウォッチランド東京)、その他はスタイリスト私物

“ほどユル”に進化したといっても具体的にイメージしづらいもの。そこでディテールに絞って要所を見ていきます。特にその変化が顕著であるのがパンツです。フロントに2プリーツを入れ込むことで、腰回りに適度な余裕をもたせているのがひとつの特徴。以前のピタピタ・ノープリーツパンツではポケットに手が入りにくいなんてコトも。しかしほどユル・パンツならば、サッと無理なく手が入るくらいにゆとりが設けられているのです。

サイズ感のポイント その2 ジャケット着丈は長め(お尻が隠れる程度)

“長め”といってもスーツの長い歴史から見れば、王道のレギュラー丈に近付いたという感じ。以前は軽快さを追い求めるあまり、お尻の山部分が半分見えてしまうくらいの短丈ジャケットもチラホラ見掛けました。たしかに当時のトレンドでしたが、そのルックスに大人の貫禄は正直皆無。

その反動からか、昨今は尻山をほぼ隠すレギュラー丈に近いものが増えているのです。見た目も写真のとおり確かに落ち着いたシックな印象。やっぱり大人のスーツは、このくらいの丈感がジャストなのです。

サイズ感のポイント その3 ウエストにもほどよいゆとりを

少し以前のピタピタ時代には“ストラッパート”など、胸にシワが入るほどにジャストサイズを着る装い方もありました。マッチョな男らしさは確かに魅力ですが、着心地の面では少々窮屈な部分も。

しかし昨今はノーストレスの寛いだ着心地が世界的な主流。全体的にツッパリ感などなく、ゆるいドレープにて立体感をさりげなく感じさせる“適ユル”が今の気分です。フロントボタンを留めて、内側にコブシ一個入るくらいのゆとりが目安です。